松尾スズキ×大根仁×シアターコクーン
ドラマや映画の話題作の演出・監督をつとめる大根仁が、シアターコクーンに初登場!
主演に関ジャニ∞横山裕を迎え、大倉孝二、森川葵、秋山菜津子と一癖も二癖もある実力派キャストが集結。
町工場を舞台に展開する歪んだ日常。暴走していく欲望と究極の愛のかたちを狂気と笑いにのせて描いた伝説の4人芝居が、ここに甦る!!
シアターコクーン芸術監督に就任した松尾スズキが、“今”をときめく話題のクリエイターたちを自ら指名し、過去の松尾作品を“新演出”で甦らせるシリーズ第2弾、1996年に外部プロデュース公演にて書下ろした『マシーン日記』が、2021年2月公演に登場します(5月に上演を予定していた第1弾『母を逃がす』は新型コロナウイルス感染症の影響に伴い公演中止)。 ザ・スズナリで初演、上演と同時に評判となり、翌年・翌々年に再演され全国ツアーを開催しました。その後、2001年には“スズキビリーバーズ”公演として再演、さらに2013年に東京芸術劇場リニューアル記念公演として上演、パリ公演も実現した松尾作品初の海外公演であり代表作のひとつです。
これまでは、松尾の演出によって上演されてきた本作ですが、今回演出に松尾が指名したのは、映画監督、映像ディレクターとして活躍している大根仁。ドラマ『モテキ』(10・TX)で脚光を浴び、翌年映画監督デビューを果たし、最近ではNHK大河ドラマ『いだてん』の演出、映画『バクマン。』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』数々の話題作の監督を務め、舞台でも『電車男』(05)や『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(12)などの演出を手掛けるなど、優れた実績をあげ多岐にわたり活躍し続けています。大根は、ドラマ「演技者。」(03・CX)で一度『マシーン日記』の演出を手掛けており、ダークな世界観で狂気的な三者三様の愛の形を突き詰め、大きな評判を呼びました。 ドラマ版から18年、映画監督としての地位を築き、舞台演出の経験も積んだ大根が、再びこの作品と向き合います。鋭いリアルさをはらみながらも躍動感溢れるエンターテインメントとして仕立てる大根流の新たな『マシーン日記』にご期待ください。
また、本作の音楽をサカナクションから岩寺基晴、江島啓一、岡崎英美、草刈愛美の4名が手掛けることが決定。現在の音楽シーンを代表するロックバンドから、メンバー4人が、演出の大根たっての希望で舞台音楽を初めて手掛けます。サカナクションが主題歌および劇中音楽を担当し、第39回日本アカデミー賞最優秀音楽賞をロックバンド史上初受賞した映画『バクマン。』(監督:大根仁)以来の大根との最強タッグが、再び実現します。
主演を務めるのは、歌手としてはもちろん、俳優としても映画やドラマ、舞台で活躍する関ジャニ∞の
横山裕。松尾作品初参加にして、『上を下へのジレッタ』から約3年半ぶりにシアターコクーンに登場いたします。横山が演じるのは、町工場に隣接したプレハブ小屋に、右足を鎖でつながれ監禁されている電機修理工のミチオ。町工場のパートにきたケイコと出会い狂いだす、おかしくも切ない男女の四角関係。愛憎劇に挑む横山の、鬼気迫る演技にご注目ください。 ミチオの兄・アキトシには、映画やドラマなどに多数出演し、シリアスな役からクセのある役どころまで強烈な存在感でインパクトを残す、名バイプレイヤーの大倉孝二。アキトシの妻・サチコに、雑誌の専属モデルを経て映画で女優デビュー後、2020年の映画出演本数は4本と、若手注目株のカメレオン女優森川葵、今作で2回目の舞台出演となります。さらに、『キレイ-神様と待ち合わせした女-』『8月の家族たち』『美しく青く』などシアターコクーン作品にも多数出演し、名立たる演出家達が絶大な信頼を寄せる秋山菜津子がパート従業員のケイコを演じます。男女4人が織りなす、狂気とも感じる究極の愛の形をご堪能ください。
そんな中、工場に新しいパート従業員としてサチコの中学時代の担任で体育教師であったケイコ(秋山菜津子)がやって来る。数学的思考でものごとを考え、極度の機械フェチでもあるケイコは、壊れた携帯電話を直してもらったことをきっかけにミチオと結ばれ、「あんたのマシーンになる」と服従を誓う。小さな町工場を舞台に、男女4人の情念渦巻く愛憎劇が始まる…。
ぜひ、演劇を、生の舞台を、楽しんでいただければと思います。
https://www.bunkamura.co.jp/sp/matsuo/
ミチオ役に選んだ横山さんはドラマの仕事で初めて会ったのが16歳くらいの時で、最近のドラマを見ていて「芝居がいいな、仕事したいな」って引っかかっていたんです。ナイロン100℃での初舞台から見ていてすごく好きな大倉くん、絶対の安心材料である旧知の秋山さん、そして惹かれて目が離せなくなってしまうような佇まいの森川さんという4人。コクーンでやるには世界観が小さいかなとも思ったんですが、直感的にセンターステージでやったらすごく面白そうってなりました。難しい戯曲だとは思うんですが、なるべく噛み砕いて新しく作るつもりなので、楽しみにしていただきたいです。
<プロフィール>
大根仁(おおね・ひとし)
1968年生まれ、東京都出身、映画監督、映像ディレクター。
ADとしてキャリアをスタート、『モテキ』(10・TX)『まほろ駅前番外地』(11・TX)など話題となったドラマの演出・脚本を数多く手掛ける。2011年劇場版『モテキ』で映画監督デビュー。同作で第35回日本アカデミー賞話題賞作品部門を受賞。近年の主な監督作品に『バクマン。』『SCOOP!』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』など多数。2019年はNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に演出で参加。2013年第50回ギャラクシー賞奨励賞(『まほろ駅前番外地』)、2016年第39回日本アカデミー賞優秀監督賞、第25回日本映画批評家大賞監督賞(ともに『バクマン。』)を受賞。現在、テレビ東京連続ドラマ『共演NG』(監督・脚本)放送中、2022年公開予定の長編アニメを制作中。
江島啓一(サカナクション)
僕は演劇畑の人間ではないですが、積み重ねてきた他の経験を強みにこの作品に挑みたいです。整然としたところに、異物が飛び込んできたとき、パニックのようになるのが面白かったりするじゃないですか?そんな予測不可能な感じになれたらと前向きに捉えています。 そして、この状況下で観に来てくださるお客様に「来てよかった」と思っていただけるように頑張ります。