Storyあらすじ
小さな町工場・ツジヨシ兄弟電業を経営するアキトシ(大倉孝二)は、妻サチコ(森川葵)とともに自らの工場で働いていた。工場に隣接するプレハブ小屋に住む弟のミチオ(横山裕)は、壊れた機械を見ると直さずにはいられない電機修理工。ミチオは訳あってアキトシに監禁されており、小屋と右足を鎖でつながれていた。一方のサチコには、かつてミチオに強姦された過去があり、未だ不倫関係にあった。
そんな中、工場に新しいパート従業員としてサチコの中学時代の担任で体育教師であったケイコ(秋山菜津子)がやって来る。数学的思考でものごとを考え、極度の機械フェチでもあるケイコは、壊れた携帯電話を直してもらったことをきっかけにミチオと結ばれ、「あんたのマシーンになる」と服従を誓う。小さな町工場を舞台に、男女4人の情念渦巻く愛憎劇が始まる…。
松尾スズキ
プロフィール
1988年に大人計画を旗揚げ、主宰として作・演出・出演を務めるほか、小説家・エッセイスト・脚本家・映画監督・俳優など多彩に活躍中。『ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~』(97)で第41回岸田國士戯曲賞を、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(08)で第31回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を、『命、ギガ長ス』(19)で第71回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞。小説「クワイエットルームにようこそ」(06)、「老人賭博」(10) 「もう『はい』としか言えない」(18)は芥川賞候補となった。主演したテレビドラマ『ちかえもん』は文化庁芸術祭賞ほか受賞。20年よりBunkamuraシアターコクーン芸術監督に就任。最近の公演としては『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』(16・作・演出・出演)、『キャバレー』(17・07・演出)、「日本総合悲劇協会vol.6『業音』」(17・作・演出・出演)、『ニンゲン御破算』(18・作・演出・出演)、『世界は一人』(19・出演)、『命、ギガ長ス』(19・作・演出・出演)、『キレイ-神様と待ち合わせした女-』(19・14・05・00・作・演出・出演)、『フリムンシスターズ』(20年・策・演出)などがある。 4月には総合演出・構成台本・出演を務める「シブヤデアイマショウ」を上演予定。
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コメント
今回の『マシーン日記』は、演出をお願いした大根くんが「これがいい」と選んだ演目です。キャストが4人だし、わかりやすいからですかね。彼はこの作品をドラマ化してくれたことがあるので、この芝居に流れる狂気みたいなものは、身体に落とし込んであると期待しています。横山さんの色気、大倉さんのギャグセン、秋山さんの説得力!あとは、森川さんが舞台でのたうちまわる姿が楽しみです。出だしの部分は再演するたび変わるので、アレンジに頭を悩ませています。 ぜひ、演劇を、生の舞台を、楽しんでいただければと思います。