
手塚治虫の“幻の”傑作漫画が、倉持裕の脚本・演出により初舞台化!
「テレビなんざぁ今にラジオと同じ空気みたいな存在になる。
大衆はもっともっとあくどい刺激を求めるようになるんだ。
じゃあそいつは何か? その世界へ自分ごと飛び込めるような刺激……『ジレッタ』さ!」
マスコミ社会を舞台に、様々な角度から湧き出る人間の欲望を風刺し、今では現実となったヴァーチャル・リアリティの世界を“ジレッタ”と称して独特の表現で創り出された漫画「上を下へのジレッタ」。
書かれた当時は夢物語でしかなかった「妄想の共感」が、決して絵空事とは言い切れなくなった今、観客の目に映るものは現実か、妄想か…。
演出は、演劇界の次世代を担う気鋭の脚本家・演出家の倉持裕。幼いころに原作を読んで衝撃を受け、主人公のキャラクターが自身の作品世界に多大な影響をもたらしているという本作を、自らの手で戯曲化。更に演出も手掛け、新ジャンルともいえる“妄想歌謡劇”として創り上げます。
主演は、歌手だけでなく、俳優としても映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍する<横山裕>。常に野心満々で、己の欲望に飲み込まれて破滅するエゴイスト、という強烈なダークヒーロー・門前市郎に挑みます。
共演は、不器量な容姿のため覆面歌手として活動していたが、空腹になると絶世の美女に変身するという歌手・小百合チエに<中川翔子>、チエの恋人で、妄想の世界である“ジレッタ”を生み出す作品のキーパーソン、山辺音彦に人気バンド「在日ファンク」のリーダーで近年俳優としての活動も目覚ましい<浜野謙太>、門前のブレーンであり、元恋人で、別れた後もなにかと世話を焼いてしまう間リエに<本仮屋ユイカ>。そして、門前が再起をかけて来日させたアメリカの大物ミュージカルスター、ジミー・アンドリュウスに<馬場徹>、門前の宿敵のライバル、大手芸能プロダクション社長に<銀粉蝶>、門前の依頼でジレッタのスポンサーとなる有木足に<竹中直人>など、豪華なキャストが決定しました!
◆『上を下へのジレッタ』とは?
『上を下へのジレッタ』は、1968年に「漫画サンデー」に連載された、手塚治虫漫画の中では珍しい、知る人ぞ知る異色中の異色作で、そのため“非話題作”とも称される“幻の傑作”です。マスコミ社会を舞台に人間の欲望を風刺し、今では現実となったヴァーチャル・リアリティの世界を独特の表現で創り出すなど、作品には手塚らしい文明批判がしっかりと込められており、更に抜群の先見性も外さず見事に描かれています。
手塚の描いた“ジレッタ”が、時代を超えてどのように三次元の世界で表現されるのか、ご期待ください!
















