第80回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門 最優秀復元映画賞受賞
相米慎二監督作品 『お引越し』『夏の庭 The Friends』が4Kリマスター版にて凱旋公開決定!
鬼才・相米監督後期を代表する傑作×珠玉の名作が30年の時を経て、待望の4Kリマスター化!! 海外映画祭での上映・公開を経て《発見》、そして世界の“SOMAI”へ
『セーラー服と機関銃』『ションベン・ライダー』『台風クラブ』などで知られ、日本映画界を代表する名優・監督らが揃って彼への想いを熱く語るなど、圧倒的な存在感を放ち続ける相米慎二監督。作品に関わった俳優・スタッフのみならず、没後20年以上経った今もなお、映画人たちへの影響は計り知れない。
1993年、第46回カンヌ国際映画祭で“ある視点”部門に選出された『お引越し』は、両親の別居から家族の危機に揺れる小学6年生の少女の心を躍動感たっぷりに描き、現在もなお、観る者を魅了し続けている。35ミリオリジナルネガフイルムから4K解像度によるスキャンを行い、デジタルリマスター作業を施したリマスター版は昨年、第80回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門(Venice Classics)に出品され、最優秀復元映画賞を受賞。その後フランスで劇場公開されるや、当初の数館から50館以上に公開拡大の快挙に。さらにはフランスを代表するル・モンド紙一面で取り上げられるなど、各メディアから「30年の時を経て、ついに姿を現した」「青春映画の偉大な作品」と絶賛の声が集まり、台湾やアメリカ、オランダ、スイスでも上映された。
【STORY】
両親が別居。 はじめは家が2つできたと喜んだレンコも、次第に自身を取り巻く変化の大きさに気づかされていく――
京都に住む、明るく元気な小学6年生、レンコ。父ケンイチが家を出て、母ナズナとの二人暮らしが始まった。ナズナは新生活のための規則を作るが、変わっていこうとするナズナの気持ちがわからない。レンコは、離婚届を隠したり、自宅で籠城作戦を決行したり、果てにはかつて家族で訪れた琵琶湖への小旅行を勝手に手配する…。
【CAST COMMENT】
田畑智子 ――『お引越し』レンコ 役
『お引越し』は私自身のデビュー作であり、思い入れしかない、宝物のような作品です。
小学生だった私は、まさか30年経ってもまだこの仕事をしているなんて思ってもいませんでした。
相米監督に出会って私の人生が変わった。あの夏はそのぐらいの出来事でした。
それが今、またスクリーンで観られる!
みなさんがどういう感想を持ってくださるのか、すごく興味が湧きます。
改めて観る方も、初めての方も、現代だからこそ響くところがきっとあるし、相米監督のつくる世界をいろんな方に楽しんでもらいたいです。
中井貴一 ――『お引越し』 父・ケンイチ 役
相米監督との出会いは、人見知り合戦からスタート。お互い、人見知りで、『東京上空いらっしゃいませ』の顔合わせが進まず、トイレから帰って来た相米監督が、突然、「中井、ゴルフやる?ゴルフ行こう」と。
その一週間後、ゴルフをラウンドしながら、打ち合わせ、顔合わせとあいなった。そこからの、お付き合い。
『お引越し』は、一ヶ月、京都ロケ。しかも、お盆時期。インバウンドの盛んな今ほどではないが、実際の大文字山をバックに撮影などとは、車量、人の数からして正気の沙汰ではない。
それを、平然と実行するのが、相米組の凄さ。
まだまだ、話すエピソードの尽きぬ、思い出の映画である。
最も敬愛し、最高の友人でもあった相米慎二の凄さを、再び体感してほしい。
笑福亭鶴瓶 ――『お引越し』木目米先生/『夏の庭 The Friends』葬儀屋 役
相米監督には『東京上空いらっしゃいませ』からずっと出演させてもらったのですが、その時は別に何とも思わなかったですね。ただウマが合って、僕と相米監督と安田プロデューサーと中井貴一で“あほの会”というのを作って月に一回ご飯食べに行ったりしてましたね。
いま番組で色々な監督と出会う機会が多いのですが、“相米さんはどうやった”とずっと聞きはるんですよね。若い監督が相米慎二の事を神さんみたいに尊敬しててそんな監督の作品にずっと出してもうてた僕までもがなんか羨ましがられて...。改めてすごい人やったんやなと実感してます。
ただ人間的には無茶苦茶ですよ。それでも人に好かれていて不思議な人ですね。
あの偉大さを今ようやくわかったというか、ただの友達と思ってましたがすばらしい監督ですね。
相米慎二監督作品 『お引越し』『夏の庭 The Friends』が4Kリマスター版にて凱旋公開決定!
少年少女が大人へと変貌していこうとする普遍的な瞬間を見事に映し出した2作が、公開から約30年後のいま、海外での再評価・上映を経て《凱旋》公開となる。
『夏の庭 The Friends』4Kリマスター版
1994年に公開された本作は、4Kリマスター版として修復されると、今夏、大々的に相米慎二監督特集が組まれた香港映画祭(夏編)にてワールドプレミア上映を果たした。原作は、世界十数カ国で翻訳出版されている湯本香樹実の小説。名優・三國連太郎の圧倒的存在感と少年たちの瑞々しい演技で映画化した。ある老人と少年たちの交流から「死とは」「生とは」を考えさせられていく、ひと夏の成長譚。
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