1960年代半ばから商業空間や家具、プロダクトなどのデザインの分野で革新的な作品を発表したデザイナー倉俣史朗。アクリル、ガラス、アルミニウム、スチールメッシュ、FRPなど、当時インテリアや家具に使われることのなかった素材を積極的に取り入れ、“無重力”や“非存在”をテーマに創造の可能性を探求し続けました。
変形の家具(1970年)シリーズで世界に広く認知され、エキスパンドメタルによる椅子「How High the Moon」(1986年)やアクリルに薔薇が浮遊する椅子「Miss Blanche」など次々と傑作を生みだし、1990年にフランス文化省より芸術文化勲章を受けるなど国際的にも高い評価を受けました。
本展では、倉俣が遺した貴重なスケッチをもとに版画にしたシルクスクリーン作品集「倉俣史朗 Shiro Kuramata Cahier」と、浮遊感のあるキャビネット「Cabinet de Curiosité」、「Sofa with Arms Black Edition」などの家具から、香水瓶やフラワーベースなどの小物まで幅広い作品を展示・販売いたします。
独創性と希有な存在から没後30年経った今も多くの人を魅了し、同時代を知らない現代の若いクリエイターたちにも影響を与えている倉俣史朗。時代を問わず常に新しく美しい彼の世界をぜひご堪能ください。