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*本作はエピソード2話ずつを1プログラムとして上映いたします。プログラムごとに日時座席指定券のご購入が必要です。
《愛の映画作家》クシシュトフ・キェシロフスキの美しき大傑作
国内配給権終了に伴い、いよいよ最後の劇場上映(ラストラン)!
1994年に公開され、日本でもヒットを記録した「トリコロール三部作」(『青の愛』『白の愛』『赤の愛』)や『ふたりのベロニカ』などで知られ、日本でも多くのファンを持つポーランド映画界の巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ。そのキェシロフスキが1988年に発表した歴史的傑作『デカローグ』。2021年には【生誕80年記念】としてデジタル・リマスター版が全国で劇場公開されて好評を博した。もともとテレビシリーズとして製作されたが、その質の高さが評判を呼び、1989年ヴェネチア国際映画祭でお披露目されたのちに世界中で高い評価を獲得した。映画監督のスタンリー・キューブリックが「重要な映画」と絶賛したのを始め、エドワード・ヤン、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)など世界の映画作家たちが次々と賞賛の言葉を投げかけた。また、日本では2024年にオリジナル脚本をもとに舞台化され、新国立劇場で4月から7月にかけて上演されたことも大きなニュースとなった。
この度、2024年12月末に国内配給の権利が終了することを受け、最後の劇場上映が決定。権利の終了後、しばらく劇場での上映の機会はないことが予想され、本上映はスクリーンで鑑賞できる貴重な機会となる。
「人はなぜ生きるのか?」生きていると必ず直面する《人生のあれこれ》。
愛、孤独、性、金、信仰、家族、過去、そしてクリスマス……。
本作『デカローグ』は、旧約聖書の「十戒」を下敷きに、ワルシャワ郊外の巨大団地に暮らす人々の幾通りもの人生模様を綴った各約1時間/全10篇からなる連作集。それぞれのエピソードが、ひとつの完結した物語として独立しており、さまざまな人間ドラマを映し出す。社会主義体制下にあったポーランドで製作された作品だが、社会・政治などの要素を劇中からは排除し、まるでキャラクターの心の中を顕微鏡で覗き込むかのように、日々に希望を見出そうともがきながら現代に生きる人々の孤独と愛の苦悩を見事なまでに鮮烈に浮かび上がらせている。
鋭くも優しく、あたたかいキェシロフスキの眼差し――本作で描きだした10通りの《人生》は決して色褪せず、今を生きる私たちの心をふるわせ、希望を灯す。クリスマスが近づく寒い季節、《愛の映画作家》キェシロフスキが私たちに遺してくれた珠玉の名編たちを、ぜひ劇場の大きなスクリーンでご堪能ください。
【エピソード/全10話】
Ⅰ.ある運命に関する物語 56分
Ⅱ.ある選択に関する物語 59分
Ⅲ.あるクリスマス・イヴに関する物語 58分
Ⅳ.ある父と娘に関する物語 58分
Ⅴ.ある殺人に関する物語 60分
Ⅵ.ある愛に関する物語 61分
Ⅶ.ある告白に関する物語 58分
Ⅷ.ある過去に関する物語 57分
Ⅸ.ある孤独に関する物語 61分
Ⅹ.ある希望に関する物語 60分