
「FRACTAL BAGS」
17cm x 17cm x 4cm
全16個
美しい革の切れ端を無駄にしたくないという思いから
薄く漉いた革端を貼り合わせ、1ミリおきにミシンで縫い流れを作り
やがてLeather Collage & Stichという技法が生まれました。
さらに細かい色彩表現を目指したいと
Leather Collage & Stichを生かして挑んだのが今回のシリーズFRACTRAL2023です。
FRACTAL 2023シリーズでは雪の結晶や枝葉のような自然界に潜むフラクタル構造をモチーフにしたレザーアートを製作しました。より繊細な色の濃淡の運びをグラデーションで表現しようと思い、1cmの小さな菱形ピースを貼り合わせたコラージュとステッチを施しました。
1革ピースの色を選ぶことは単純な作業です。しかしパターンの繰り返しであるフラクタル構造においてはただ一つの選択が全体の表情をコントロールする力をはらんでいます。意識的に、または無作為を交互に規則的に配列していくと複雑で多様な表情を作り出します。
中心から広がる1cmの菱形が織りなす革色のグラデーションは「誕生」を意味する唯一無二の色です。頂点を合わせて菱形を6つ並べ、色を並べて行くと、外へ外へと幾何学模様が無限に広がるからです。選ばれた色のピースが多種様な表情を「誕生」させていきます。
フラクタルな万物の輝きとは、自然界の多様性を作り出す強さを意味します。多様であることはお互いの欠点の補強につながり、皆違って皆いい!自然の持つパターンをコントロールする力、すなわち私たちの内に秘められた輝きをFRACTALなアートに表現してみました。
本展の作品は、FRACTALシリーズより逢坂綾のプロデュースするバッグブランドayay new york tokyoのアートバッグと、パネル作品2点を展示しております。残り一点はFRACTALシリーズから構想を得て制作した作品となります。