
ワッツ
19世紀後半、当時のムーブメントであった自然主義など従来のアカデミスムに対する反発として象徴主義・古典主義の潮流がフランス、ベルギーを中心に萌芽しました。イギリスでは同時期にラファエル前派が既に結成されており、中世に対する憧憬と独自の唯美主義的な美学を生み出し、象徴主義に先行して独自の発展を遂げました。
象徴主義は19世紀末に起こった「ジャポニスム」とともに世紀末芸術にも大きな影響を与え、ウィーン分離派やアルフォンス・ミュシャをはじめとするアール・ヌーヴォー様式が生まれました。
これらの共通した潮流は目に見える現実の奥深くに内在する夢や無意識に対する認識は神秘性など人間の精神の本質を表出させると同時に、新たに構築した超現実的な時空間によって表現領域が発展し、文学や演劇・音楽表現にも影響を与え、後のシュールレアリスムへと受け継がれて行きます。
本展では19世紀後半の象徴主義からマグリットやデルヴォーなど近代まで活躍した作家たちの版画作品や挿画本などを展覧販売します。
出品予定作家
ファンタン=ラトゥール、フランツ・フォン・シュトゥック、モロー、ビアズリー、ルドン、バーン=ジョーンズ、ロセッティ、ロップス、クノップフ、ルドン、ワッツ、マグリット、デルヴォー その他