1970年代後半から80年代にかけて大流行した日本のニューミュージック、シティ・ポップ。2000年代以降リバイバルの流れが続き、今も我々の心をつかんで離さない。その音楽はジャンルに留まることなく、ファッションやアートにも影響を与え、今や一大カルチャーとなり、日本のみならず世界中から注目を集めている。
シティ・ポップをカルチャーへと昇華させたのは、永井博による功績が大きいだろう。1981年発売の大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』でアートワークを手掛けた永井は、心地よいリズムと摩天楼を想起させる都会的かつ南国風な音楽を見事にヴィジュアル化した。40年以上に渡る一貫した作風は、今やシティ・ポップムーブメントの象徴として、世代を超えて愛されている。
Bunkamura Galleryにて3回目となる本展では永井の貴重な旧作から新作まで原画を中心に販売する。
焦げ付くような暑さの中に抜ける風。さざ波とヤシの木が揺れる音。
夏のこの季節にしか味わえない太陽と空の眩さ。
渋谷ヒカリエという都会の真ん中で、あの頃と変わらない、しかしまた新しい景色をぜひご覧いただきたい。