1960年から70年代の日本が目覚ましい発展を遂げた高度経済成長期。経済、文化をはじめ、人々の価値観までもが大きく変化したことで、空洞化した社会に対する反抗が生まれました。芸術や文化でもまた、既成のものを破壊し新たなものを創造することに若者たちは熱狂。その中でも2023年に没後40年を迎えた寺山修司の「演劇実験室◎天井棧敷」、唐十郎の「劇団状況劇場」などのアングラ演劇、暗黒舞踏の土方巽などのアングラカルチャーが時代を席巻しました。
過激で実験的な演出により虚構性の高い芝居を次々と上演した「アングラ演劇」において、中でも重要な位置を占めたのは、そのポスターたちです。今や日本を代表するアーティストである宇野亞喜良・金子國義・横尾忠則らが手掛け、サイケデリックで猥雑なデザインの巨大ポスターは単なる広告媒体としてではなく演劇の演出としての一種の役割を担いました。街に飾られることでポスターさえも演劇の一部となしえてしまったのです。
本展では、アングラ演劇の公演ポスターを中心に、同時代のポスターや公演のチラシ、古書などを展示・販売いたします。保守的な世の中からの解放を求め、新たな表現の再構築を試みるアングラカルチャーは、今なお私たちの目に斬新に写り、この令和時代をも熱狂させます。当時街中に掲げられていた貴重なポスターが一同に集まる空間にぜひ足をお運びいただき、昭和の熱きエネルギーを肌で体感してください。
赤瀬川原平、粟津潔、宇野亞喜良、及川正通、大友克洋、金子國義、合田佐和子、田中一光、寺山修司、花輪和一、林静一、平野甲賀、篠原勝之、横尾忠則、和田誠 他
◎トークイベント開催決定!◎
日時:2024年1月21日(日)16時~
会場:Bunkamura Gallery 8/ 隣接会場(渋谷ヒカリエ8階 COURT)
入場:無料 / 事前申込:不要
※15:30より開場します。
※混雑した場合、お立見になる可能性もございます。
〇アングラ的作品解説
アングラポスターの魅力、寺山修司の遺したもの―
三沢市寺山修司記念館副館長の笹目浩之による作品解説と寺山修司の魅力に迫ります!
〇特別対談企画
榎本了壱(クリエイティブディレクター)×笹目浩之 (ポスターハリス・カンパニー代表)
寺山修司監督映画「書を捨てよ町へ出よう」にて美術を担当し、天井棧敷の公演ポスターのデザインも手掛けたアートディレクター・榎本了壱と、演劇プロデューサーでもある笹目浩之の特別対談が実現!1960年代アングラ演劇勃興期。貴重な生き字引が語るこの機会をお見逃しなく!
※内容は変更になる場合がございます。最新情報をご確認下さい。(2024.1.18更新)