
「忘れえぬ日々」40M
幼い日、父が毎日読んでくれた新聞の連載絵物語。
楽しくて、空想と描くことが大好きになりました。
カンバスに見えてくる、
初めて見るのに懐かしい、
ときめきつつ描いた、
そんな風景をご覧ください。
井上直久
見上げればウルトラマリンの青が途切れることなく大空に澄み渡り、見下ろせば豊かな植物が隙間なく地平線の向こうまで寄り添いあう。鮮やかに混じり合う色彩と不思議な遠近感で描かれた情景は、優しくあたたかい光の粒で観る者を包み込みます。
スタジオジブリ作品「耳をすませば」で背景美術も手掛けた井上直久。アクリルと油彩で描かれるのは、自身のふるさとが原点となる光に溢れた世界“イバラード”。空には数々の小惑星やラピュタと呼ばれる飛び島が浮遊し、美しい色の雲が現われる。多種多様な生きものが暮らし、市場には奇妙な品々が溢れ、木や草花が町を覆う。街角に立つと、いつも驚きと懐かしさが入り混じり、曲がり角のひとつひとつが探索を誘うようです。
Bunkamura Galleryにて約3年振りの開催となる本展。子供時代を懐かしみ心弾ませて描かれた作品たちは、誰の心の奥底にも潜んでいる幼いころのときめきが蘇えってくるかのよう―。井上直久が描く情景に触れたとき、私たちの日常も色を帯びて輝きだします。
作家在廊予定日
11/2(水)~11/6(日)