穏やかに流れるジャズの旋律。
賑わうカフェを抜け行く心地よい空気。
パリの街並みをリズミカル且つダイナミックに表現する、画家松井ヨシアキの個展を2年ぶりに開催いたします。
聴力を失った松井にとって、パリの喧騒は聞くものではなく、その時感じた想いそのもの。
人々の会話、足音、風のなびく音、全ての音は息吹を与えられ、真新しい彼ならではの音色を奏で始めるのです。また、時としてそれは美しい花々、自然の大地、広大な空でさえ、まるでリズムをもって動き出すかのように、優しく、激しく画面上に描き出されます。
今展、松井が選んだテーマは「たゆたうパリ」
ゆらゆらと揺れ動く落ち着かない心も、目を瞑りぼんやりとあの日の光景を思い描くと、
豊かな人々が行き交うありふれたワンシーンが浮かんできます。
そんな心安らぐ日常が垣間見える瞬間こそ、パリという街が人々を惹きつける最大の魅力なのかもしれません。
日常という普遍的な生活から遠ざかった現在だからこそ、明るく陽気なビートの聞こえてくる会場に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。