
© PETIT CHAOS - CHALK & CHEESE FILMS - BALDR FILM - LES FILMS FAUVES - ARTE FRANCE CINÉMA - 2024
第77回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 グランプリ受賞
⼤都会ムンバイから海辺の村ラトナギリへ
仕事、恋、結婚──ままならない⼈⽣に揺れる⼥性たちの友情を描く
儚いけれど決して消えない光を放つ感動作
インド映画として30年振りに第77回カンヌ国際映画祭のコンペティション部⾨⼊りを果たした『私たちが光と想うすべて』。グレタ・ガーウィグ監督を審査員⻑に、⽇本から審査員として参加した是枝裕和監督も、本作を絶賛︕パルム・ドールを受賞し、その後アカデミー賞作品賞を受賞した『ANORA アノーラ』、ほか『エミリア・ペレス』『サブスタンス』など、その年の注⽬作品となる強豪作品が多数出品された中、インド映画史上初のグランプリを獲得したほかゴールデン・グローブ賞など100以上の映画祭・映画賞にノミネートされ25以上の賞を受賞、オバマ元⼤統領の2025年のベスト10に選ばれ、56カ国以上での上映が決定するなど、世界中から⾼評価を獲得している。
本作の監督を務めたムンバイ生まれの新鋭カパーリヤーが、最初にその稀有なる感性を世界に見つけられたのは、初の長編ドキュメンタリー映画『何も知らない夜』。2021年のカンヌ国際映画祭監督週間でベスト・ドキュメンタリー賞に当たるゴールデンアイ賞、2023年の山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部門でロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)を受賞。鋭く政治的でありながら美しく詩的なハイブリッド作品と高評価を受け、ドキュメンタリーというジャンルの可能性を広げ、初の長編劇映画となった本作で、見事カンヌ国際映画祭グランプリを獲得!光に満ちたやさしく淡い映像美、洗練されたサウンド、そして夢のように詩的で幻想的な世界観を紡ぎ出し、これまでのインド映画のイメージを一新、「ウォン・カーウァイを彷彿とさせる」と評判を呼び、シャーロッ・ウェルズ監督(『aftersun/アフターサン』)、セリーヌ・ソン監督(『パスト ライブス/再会』)など、30代の若手女性監督たちの作品が世界の映画祭で脚光を浴びる中、現在39歳のパヤル監督もまた、世界中から新たな才能として注目を集めている。。
【STORY】
インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。⼆⼈はルームメイトとして⼀緒に暮らしているが、職場と⾃宅を往復するだけの真⾯⽬なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し⼼の距離があった。プラバは親が決めた相⼿と結婚したが、ドイツで仕事を⾒つけた夫から、もうずっと⾳沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋⼈がいるが、親に知られたら⼤反対されることはわかっていた。そんな中、病院の⾷堂に勤めるパルヴァディが、⾼層ビル建築のために⽴ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、⼀⼈で⽣きていくというパルヴァディを村まで⾒送る旅に出る。神秘的な森や洞窟のある別世界のような村で、⼆⼈はそれぞれの⼈⽣を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する──。