アーサー・ミラーの傑作戯曲に、イギリスの鬼才リンゼイ・ポズナーが挑む!
堤真一、森田剛、西野七瀬、大東駿介、山崎一、伊藤蘭ら実力派キャストがシアターコクーンに集結。
シアターコクーンが海外の才能と出会い、新たな視点で挑む演劇シリーズDISCOVER WORLD THEATRE第12弾として上演するのは、20世紀を代表するアメリカの劇作家アーサー・ミラーの代表作『みんな我が子』。1947年にアメリカ・ブロードウェイで初演され、第1回トニー賞を受賞。初演から70年以上の時を経ても色褪せることなく、世界中で上演され続けています。
第二次世界大戦後の一見円満そうなとある家族の葛藤と崩壊が描かれ、悲劇的なラストに至るまでにこめられた胸に刺さる台詞の数々は、今もなお多くの観客の心を揺さぶります。
本作の演出は、リモートながらも高い完成度で上演した2020年のDISCOVER WORLD THEATRE vol.9『十二人の怒れる男』から2度目の登場となるリンゼイ・ポズナー。
1991年に上演した『死と乙女』にてイギリス演劇の最高峰ローレンス・オリヴィエ賞作品賞を受賞し、多彩な現代劇作家作品の演出で評価を得ているポズナーが、ミラー作品をどのように手掛けるのか、期待が高まります。
出演者には、家族のためにただひたすらに生きる父ジョー・ケラーに、DWT vol.1『るつぼ』から5作目の出演となり、舞台に留まらず、ドラマ・映画と映像でも作品ごとに独特の存在感を放つ堤真一。戦争から戻らない次男ラリーの無事を信じ、家族を愛する母ケイトに、舞台・ドラマ・映像で女優として活躍、近年はアーティスト活動も再開し2021年に開催したコンサートも大成功させた伊藤蘭。ケラー家の長男クリスに、2021年に長年活動してきたアイドルグループV6の解散という人生の大きな選択から、新たな俳優人生の第一歩として2年ぶりの舞台出演となる森田剛。ラリーの婚約者アンに、本格的な舞台には劇団☆新感線の『月影花之丞大逆転』に続き2作目、近年活躍目覚ましい若手女優・西野七瀬。アンの兄ジョージに、シリアスからコメディまで多彩な役を演じ分ける実力派俳優・大東駿介。そして、ケラー家の隣人ドクター・ジムに、『十二人の怒れる男』にてポズナーが信頼を寄せるベテラン山崎一ら豪華キャストが集結。
文化や言葉の壁を乗り越えて、上演され続ける家族の物語が、2022年5月に再び幕を開けます。
『十二人の怒れる男』はリモートでの演出でしたが、非常に楽しく仕事ができました。今度は俳優の皆さんと直接話をしながら、同じ空間で創作のプロセスを共にできることをとても楽しみにしています。
許されないはずのことが、まかり通っている。それは今の社会にも感じることだし、自身の生き方と照らし合わせてドキッとする人もいるかもしれません。見えているのに見ようとしないものが世の中にはたくさんある、そう気づける作品に出来たらいいなと思っています。
自分が思うこと、感じていることをはっきりと提示するのは苦手なほうではありますが、稽古ではそこをちゃんとやっていきたいですね。そうして皆さんの話を聞き、演出を受けながら、崩したり、構築したりを楽しんでやっていきたい。最終的に、この家の息子に見えたらいいなと、それだけですね。楽しみに待っていていただけたらと思います。
共演の皆さんも初めてご一緒させていただく方が多く、舞台で確かな実績を積まれて来られた方々の中に、私が入ってどうなるんだろう!?と想像のつかないことばかりですが、稽古場の空気にも出来るだけ早く慣れたいですね。演出のポズナーさんはとても優しい方だとお聞きしているので、少しホッとしています(笑)。初の会話劇で、海外戯曲ももちろん初めて。たくさんの“初めて”を楽しみながらやれるよう、頑張りたいと思います。
僕は海外の戯曲も外国人の演出家も、とくにイメージを持ってやることはないですが、よりスムーズに進めるために、自分の人となりや考えは早めに伝えておきたいなと思っています。今回、いい意味でしんどい芝居になるんじゃないかなと(笑)。僕、芝居の疲労感が大好きなんですよ。精神を集中させていくその時間が好きで、カンパニーの皆さんとそれを共有出来るのが本当に楽しみですね。足を引っ張らないように頑張ります!
この『みんな我が子』も一見幸せそうで理想の親子、家族に見えていたものが徐々に仮面が剥がされ本当の顔が見えてくる。でも、本当に悪いのはいったい誰なのか、、、。
アーサー・ミラーはいつも観る側に色々な問いを投げかけてきます。
このメンバーでこの作品を上演出来るのは本当に素晴らしいことだと思います。 そして『十二人の怒れる男』ではリモート演出だったリンゼイ・ポズナーさんが、今回は直に来てどういう演出をされるか。すごくワクワクしています。 アーサー・ミラーの作品は、見終わった後に人生を感じさせ、さまざまなことを考えさせてくれます。その豊かな時間をぜひ劇場で体感していただきたいですね。
海外の演出家とのお仕事は過去にイギリス人のエイドリアン・ノーブルさんとご一緒した機会がありました。その時に学んだこと、日々の稽古で得たことは今でも私の指針となる事も多いので、今回もリンゼイさんとの貴重な経験を糧にできるよう心して稽古に臨みたいと思います。