松尾スズキの長年の想いがついに結実
あの名作が本格ミュージカルとして生まれ変わる!!華やかなビジュアルも解禁!
『クワイエットルームにようこそ』は、「大人計画」の主宰であり、作家・演出家・俳優とマルチに活躍する松尾スズキによる小説で、2005年に単行本として刊行。精神病院の閉鎖病棟を舞台に、精神的な問題を抱える人々の絶望から再生の日々をリアルに描き、第134回芥川賞にノミネートされるなど高い評価を受けました。そして2007年には松尾が自ら脚本・監督を手掛け、内田有紀主演で映画化し大きな注目を浴びました。
主人公・明日香と様々な背景を抱える精神病院の患者たちとの交流、そしてパートナーとの独特な関係を描いた本作は、シビアなテーマを扱いながらも喜劇とファンタジーの要素を持ち合わせており、「いつかミュージカルに!」と松尾が長い時間をかけて構想を温めてきました。
2026年、松尾渾身の新作ミュージカルとして、『クワイエットルームにようこそ』が生まれ変わります。
音楽は、日本の音楽シーンをけん引し、Bunkamuraシアターコクーンで上演された作品でも多彩な楽曲を生み出してきた宮川彬良。振付は、あらゆるジャンルを軽々と飛び越え、ユーモアあふれるダンスで観客を魅了するCHAiroiPLIN主宰のスズキ拓朗。
共に舞台では松尾と初タッグとなり、濃密な人間ドラマに、音楽とダンスが加わり、どんな化学反応が起こるのか期待が高まります。
豪華俳優陣が新たな松尾ワールドをお届け!
主人公・佐倉明日香を演じるのは咲妃みゆ。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で退団後は演技力にさらに磨きをかけ、2024年には『少女都市からの呼び声』で第31回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど、数多くの作品で活躍。かねてより松尾作品への出演を熱望していた咲妃と、咲妃の演技に注目していた松尾との相思相愛で、ついに初タッグが実現します。
明日香のパートナーを演じるのは、近年『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』や『ケイン&アベル』、 『キンキーブーツ』など話題作への出演が続く松下優也。気が弱く優柔不断だけどどこかお気楽な、これまで松下が演じてきた役とは一線を画す役に挑みます。
共演は、力強い歌声と迫力のある演技力を活かし数々のミュージカルに出演している昆 夏美、乃木坂46を卒業後は俳優として舞台・映像作品に数多く出演し今後の飛躍が期待される桜井玲香、劇団四季の様々な作品でヒロインを務め、退団後も舞台俳優として数多くの舞台に出演する笠松はる、10代からモデルとして活動を始め、俳優としてもクールな魅力で時代劇から現代劇まで多彩に活躍しているりょう、コメディからシリアスな役柄まで作品に応じて様々な顔を見せる松尾作品の強力なミューズ秋山菜津子。
そして「大人計画」からは、舞台のみならずドラマ・映画と幅広く活動し独特の存在感を放つ池津祥子、陽気な役から不気味な役まで幅広く演じ分け確かな実力で数多くの作品を支える猫背 椿、唯一無二の存在感で個性的なキャラクターも演じ分ける宍戸美和公、数多くの舞台や映像でその存在を知らしめる近藤公園、強烈な個性を持ちながら、あらゆる役柄を演じ分け振り幅の広い演技に定評がある皆川猿時と、松尾が信頼を寄せるキャストが集結しました。
ミュージカル界の第一線で活躍する俳優陣と、松尾作品にはかかせない個性際立つ俳優陣を迎え、様々な問題を抱えた患者たちのドラマを、ポップで鮮やかなミュージカル仕立てでお届けします。
爽快感と切なさと刺激を感じられる松尾スズキさん作品の大ファンで、いつか一緒に創作させていただきたい、作品の一部になりたい、という夢を抱いていましたので、出演が決まった時は飛び上がるほど嬉しかったです。この作品の登場人物はすべて、狂気や悲しみや苦しみといった感情を秘めながら生きているところが魅力だと思います。そして佐倉明日香さんは、一生懸命がゆえに自分自身を見失った人だと感じています。その役に向き合い、松尾さんの演出を全身で受け止め、私自身が持つすべての力を出してお応えしたい。信頼する共演者の皆さんをはじめ、多くの方々のお力をお借りしながら、この嬉しさと興奮をエネルギーに変えて挑みたいと思います。
松下優也:
松尾スズキさん作品への参加は想像もしていなかったので、本当に嬉しいです。松尾さんが描く人物は人間味に溢れていて可愛くて愛おしく、独特の言葉で書かれているセリフはテンポ感があって面白い。僕が演じる焼畑鉄雄は主人公・佐倉明日香の同居人で頼りない人物という印象。どういう歌になるのか想像がつきませんが、松尾さんが『キンキーブーツ』をご覧になった時に僕に歌ってほしい音楽が浮かんだそうなので今から楽しみです。生みの苦しみと同時に達成感を味わうことができる新作ミュージカル。松尾さんがつくり出す世界に全力で飛び込んで、ミュージシャンとして俳優として今まで培ってきた芝居も歌もすべて活かしたいと思っています。
昆 夏美:
松尾スズキさんとは『シブヤデマタアイマショウ』(2023年)で1曲共演させていただきましたが、とても楽しい時間だったのを憶えています。以前から大好きな松尾さんの舞台にずっと立ちたいと思っていたので、今回出演が決まって本当に嬉しいです。ワクワクドキドキする共演の皆さんのお芝居を稽古場から見られることも、以前ダブルキャストでご一緒した咲妃みゆさんと初めて目と目を合わせてお芝居できることも本当に楽しみです。閉鎖的な世界観をミュージカルという開放的な表現でどのようになるのかも楽しみ。その中で私はミステリアスで異質感のある少女ミキを演じますが、作品にスパイスを効かせられる存在でいたいなと思っています。
皆川猿時:
映画化された時もビックリしましたけど、今回はタイトルに「The Musical」とついていてドキドキしてます。「The Musical」なのに大人計画の人たちも出ることになっちゃった。まあでも、多様性の時代ですから、いろんな役者がいるんだな〜と、温かい目で見守ってください。なんなら薄目でお願いします(笑)。歳を重ねてますます優しくなってきた松尾さんの、予想もつかないドキッとする演出、今から楽しみです。こないだ映画を見返したら、宮藤官九郎さんがすごく良くて(笑)。「The Musical」ではその役を松下優也くんが演じます。俺は松下くんのこと大好きなんですけど、彼は俺のことをどう思ってるんだろう。10年ぶりの共演。振り向かせた〜い。
桜井玲香:
いつかご一緒してみたいと思っていた松尾スズキさんの作品に初めて出演します。共演の皆さんも初めましての方が多いので、今から少し緊張しています。これまでにご一緒したことのある、素敵で大好きな咲妃みゆさん、昆夏美さん、猫背椿さん、音楽の宮川彬良さん、振付のスズキ拓朗さんの力をお借りしながら楽しくできたらと思っています。ミュージカルの立ち上げは大変ですが、素敵な方ばかりのカンパニーですので、それぞれの個性が混じり合った瞬間に素晴らしいミュージカルになると信じて、しっかり藻搔きながらも楽しんで創り上げたいです。私が演じるナース山岸も、原作の小説や映画とはまた違った独特の存在感を出せたらと思っています。
りょう:
映画『クワイエットルームにようこそ』に続き、ナース江口として参加させていただきます。無表情で機械的に話す無機質な江口にセリフはあるのだろうか、ましてや歌うなんて想像もつきません。リアルと笑いのバランスが絶妙で、且つ、スタイリッシュでかっこいい松尾スズキさんの舞台の世界に入ることができるのは嬉しくて楽しみな反面、不安で緊張しています。この作品の主人公のように私こそが隔離されてしまうのでは、という恐怖感。舞台に立ちながら、自分が正常なのか異常なのかという狂気を味わうことになるのかも。ご覧くださるお客さまにも不思議な感覚を味わっていただけるんじゃないでしょうか。とにかく楽しみながら挑みたいと思います。
秋山菜津子:
まさか『クワイエットルームにようこそ』をミュージカル化するとは! 『ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-』もそうでしたが、新宿歌舞伎町にあるTHEATER MILANO-Zaに合うでしょうね。松尾スズキさんが書く歌詞はとても面白くて素敵なので、今回も歌えるのが楽しみです。患者の一人・西野を演じますが、松尾さんの台本と歌詞と演出を素直に受け止めながら稽古の中で作っていけたらと思っています。いつも笑いが絶えない松尾さんの稽古場で、ミュージカル界で活躍されている方々や大人計画の皆さんをはじめとする心強いキャスト、そしてスタッフの皆さんと一緒に、多くのお客さまに喜んでいただけるミュージカルをつくり上げたいと思います。