ある晴れたバレンタインの日に、少女たちは姿を消した——
<オーストラリア・ニューウェイヴ>を代表するピーター・ウィアー監督が生み出した、今日まで広く語り継がれる「神話的傑作」
日本劇場初公開より約40年の月日を経て、4Kレストア版で美しく蘇る
オーストラリアの名匠ピーター・ウィアーが1975年に発表した『ピクニック at ハンギング・ロック』がこの度、日本劇場初公開より約40年の月日を経て4Kレストア版で美しく蘇る。
本作は、1967年に発表された同名小説を基に映画化。当時批評家や観客に大きな混乱をもたらした衝撃作でありつつ、ソフィア・コッポラの『ヴァージン・スーサイズ』に直接的な影響を与え、ファッション界ではラフ・シモンズやアレキサンダー・マックイーンもインスピレーション源として本作に言及するなど、今日まで広く語り継がれる「神話的傑作」である。
本作でその名を世界に知らしめたピーター・ウィアーは、メル・ギブソン、ジョージ・ミラーと並び、「オーストラリア・ニューウェイヴ」を代表する監督となった。
ある晴れたバレンタインの日に、少女たちは姿を消した――
1900年、2月14日。セイント・バレンタイン・デイ、寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒が、二人の教師とともに岩山ハンギング・ロックに出かけた。規律正しい生活を送ることを余儀なくされる生徒たちにとってこのピクニックは束の間の息抜きとなり、生徒皆が待ち望んでいたものだった。
岩山では、磁力の影響からか教師たちの時計が12時ちょうどで止まってしまう不思議な現象が起こる。マリオン、ミランダ、アーマ、イディスの4人は、岩の数値を調べると言い岩山へ登り始めるが、イディスは途中で怖くなり悲鳴を上げて逃げ帰る。
その後、岩に登った3人と教師マクロウが、忽然と姿を消してしまう…。
この度公開される4Kレストア版は、107分のディレクターズ・カット版。日本劇場公開116分であったオリジナル版から監督自身が再編集したものとなる。そのディレクターズ・カット版が公式のものとされている。
制作より50年。映画史に残る美しき謎が再びスクリーンによみがえる。