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第79回ヴェネチア国際映画祭 アウト・オブ・コンペティション部門 正式出品

アカデミー賞ノミネート『海は燃えている～イタリア最南端の小さな島～』を手掛けた名匠ジャンフランコ・ロージ監督最新作
愛にあふれたローマ教皇の真の姿に迫るドキュメンタリー

『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』(13)ではドキュメンタリーで初めてヴェネチア国際映画祭金獅子賞を、『海は燃えている～イタリア最南端の小さな島～』(16)ではベルリン国際映画祭金熊賞、ヨーロッパ映画アカデミー賞を受賞し、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にも選出された。さらに『国境の夜想曲』(20)ではヴェネチア国際映画祭にて3冠を受賞するなど、次々とドキュメンタリーの傑作を生みだしてきたジャンフランコ・ロージ監督。この度の最新作では、これまで圧倒的映像美により世界を切り取ってきた監督が、地球を一周、約800時間分の膨大な記録映像と、監督撮りおろしの映像を交えながら紡いだ、ローマ教皇の真の姿に迫るドキュメンタリー。拍手で迎えられ笑顔を向ける姿だけでなく、じっと何かを考える姿や人々を見つめるまなざしが彼の熱意や想いを深く想像させる。

中東、アフリカ、アメリカ、そして日本……
2013年から2021年に37回、53か国をローマ教皇とともに旅をする。
「戦争は狂気です　貪欲と非寛容　そして権力欲は戦争を決断させる動機になります」
教皇フランシスコの言葉は現在の世界情勢を映し出し、私たちの心を揺さぶる――

観客がともに旅をするのは、ローマ教皇。2013年、イタリア・ランペドゥーサ島を訪れる姿からはじまり、2022年、コロナ禍のマルタ共和国を訪問するまでが本作では描かれる。難民問題、紛争に苦しむ中東やアフリカのほか、アメリカでは平和について語り、イスラム教を国教とするアラブ首長国連邦、そして被爆地である日本を訪れる姿が収められている。また、カトリック教会で起きた性的虐待については謝罪する姿も。

「旅とは知的で精神的な修行だ」という教皇は、世界各国へ自身が足を運び、市井の人々が住む場所で会い、彼らの生活や苦悩を直接学ぶことを大切にしており、笑顔で手を振るだけでなく、握手や触れ合い、直接話を聞くことを拒むことはない。さまざまな世界の問題に耳を傾け、出会い、語る教皇らしい姿だけでなく、本作では明るく飾らない人間性も垣間見ることができる。

教皇と旅を共にすることで、彼の出会いや言葉が私たちの心を揺さぶる、新たなドキュメンタリーの傑作が誕生した。

ローマ教皇フランシスコについて

1936年、アルゼンチン生まれ。本名はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。2013年3月に行われたコンクラーベ(教皇選出のための選挙)にて、第266代教皇に選ばれ、フランシスコと名乗るようになる。史上初のアメリカ大陸出身のローマ教皇であり、日本にはじめてキリスト教を伝導したとされる聖フランシスコ・ザビエルと同じイエズス会から初めて選出された教皇でもある。大のサッカー好きで、明るく飾らない人柄が人気を集めており、“庶民派教皇”“ロックスター教皇”などと呼ばれることも。2019年11月には、ローマ教皇としては38年ぶりに日本を訪れ、長崎、広島で祈りを捧げたほか、東京ドームでは5万人を熱狂させた。