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貴重なアーカイブ映像とともに近親者によって語られ、名声に隠された本当の姿を描く、オードリー・ヘプバーン初のドキュメンタリー
美の概念を変えた革新的な存在で、ファッションアイコンであり、永遠の妖精と呼ばれ、スターとしての名声を得たオードリー。しかし世界中から「愛された」彼女は、実際は愛される喜びを知らず、誰より「愛すること」を信じ、貫いたひとりの人間であった——。
オードリー・ヘプバーンは『ローマの休日』で主演女優として大抜擢、初の主演作で24歳にしてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、世界で最も称賛を浴びる偉大なミューズとなった。一世代に一人と言われた圧倒的な美貌、そしてハリウッド黄金期の伝説的スターと称されたオードリー。そして、彼女の独自の流儀やライフスタイルは今も人々にインスピレーションを与え続けている。そんなオードリー・ヘプバーンは、本当はどういった人物だったのだろうか?
幼少期に経験した父親による裏切り、そしてナチス占領下のオランダという過酷な環境で育ったオードリーは過去のトラウマと一生涯向き合わねばならなかった。この経験は彼女のバレエダンサーになるという夢を奪い、私生活にも影を落とすこととなった。
『ローマの休日』から、彼女は輝かしい映画女優として活躍する一方、幾度の離婚を繰り返して愛に破れていくが、育児のために女優業を休業するなど、子供達への深い愛情を注いでいく。そして後年、ユニセフ国際親善大使として自身の名声を善のために尽くすことで、ようやく心穏やかに過ごす方法を見出した。
最初は戦争の犠牲者として動き出した人生を、のちには慈善活動を通して大勢の人たちに癒しと救済をもたらしたことで、オードリーは自分の力で満ち足りた人生を送ることができたのだった。
本作では貴重なアーカイブ映像、リチャード・ドレイファスやピーター・ボクダノヴィッチ監督ら俳優時代の仲間、そして息子や孫、家族ぐるみの友人など、プライベートに迫るインタビュー映像をふんだんに盛り込み、愛情と寛容の力の証として存在する、極めて特別なひとりの女性を鮮やかにスクリーンによみがえらせる。
<監督:ヘレナ・コーンからのコメント>
私がこの映画を作りたかったのは、オードリーは英雄だと思ったからです。当然のことですが、彼女はその美しさやファッションによって記憶されています。しかしまだ深く堀り下げられていないオードリーの別の一面があります。彼女は人生における大きな悲劇やトラウマを抱えていましたが、常にそれをより良いものへ、そしてより美しいものへと変えることができました。彼女は恐怖や憎しみに溢れる世界で愛の重要性のために立ち上がり、今でも何らかの形で戦い続けています。そして自分に何があっても愛することを止めず、寛容な心を持つことができたのです。私にとってそれは、一人の人間が成し得る中で最も英雄的なことなのです。私たちは人生で経験する喪失感や痛みによって作られるのではなく、私たちがそれを許した時、それらによって成長し、活躍することができるのだという生きた証こそがオードリーなのです。