彼女はなぜ、別人に成りすましたのか。その先に何が待ち受けているのか──。
驚愕の「真実」が明らかになった時、物語はまったく別の"顔"になる。
パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。ある日彼女は、年下の恋人に簡単に捨てられてしまったことをきっかけに、SNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで<24歳のクララ>に成りすまし、彼の友人アレックスとつながったクレールだが、アレックスと<クララ>が恋に落ちてしまったことで事態は思わぬ方向に転がっていく。そして次第にクレールは自分の正体を明かしたい衝動に突き動かされていくが…。
<24歳のクララ>と偽って知り合った若い男との疑似恋愛におぼれていく主人公クレール。理性を超えてはまり込んだその世界はジェットコースターのように二転三転しながら加速し、次第にクレールの心に潜む深層心理をあぶり出してゆく。彼女はなぜ<24歳のクララ>に成りすましたのか?切なくも悲しい本当の理由とは?その驚愕の「真実」が明らかになり、パズルの最後のピースがハマるとき、物語はサスペンスから一転、ひとりの女性の心理ドラマへと顔を変えていく。原作は時計仕掛けのような複雑な構成と大人の女性の心理を描くことで高い評価を得るフランスの作家カミーユ・ロランスの同名小説。監督サフィ・ネブーはフランスの名女優を得て、巧みな手さばきでヒッチコック作品を彷彿とさせるサスペンス映画を作り上げた。
観る者を試す衝撃のラスト。あなたはこれをどう見るだろうか?
50代のリアルな「私」と、24際の「アバター」の間で自身を見失っていくクレールを演じるのは、フランスを代表する大女優ジュリエット・ビノシュ。「こんなビノシュは観たことがない」と評され、実力派女優の新境地と話題を呼んだ。クレールの秘密を解くカギを握るのが、冷静沈着な精神分析医ボーマン。アップダウンする彼女を静かに受け止めながら、ボーマン自身も実体のない恐怖と対峙していく。演じるのは映画監督であり、女優でもある大ベテランのニコール・ガルシア。クレールとボーマン、女2人の心理合戦も本作の大きな見どころだ。