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『冬時間のパリ』公開記念特別上映オリヴィエ・アサイヤス監督特集Olivier Assayas Revisited

1/3(金)~1/16(木)
会場:Bunkamuraル・シネマ

時の移ろいの中で訪れるふとした瞬間、人生の一瞬を、繋ぎ止めるように紡いできたオリヴィエ・アサイヤス監督。新作『冬時間のパリ』の公開にあわせ、過去・現在・未来すべてに等しくまなざしを向けるそのフィルモグラフィから選りすぐりの4本を特別上映いたします。さらに、ゲストに小柳帝さん(ライター・編集者)と真舘晴子さん(The Wisely Brothers)をお迎えしてのトークイベントも開催決定!

<上映作品>
『冷たい水』、『イルマ・ヴェップ』、『8月の終わり、9月の初め』、『夏時間の庭』
<期間>
1/3(金)~1/16(木)
<料金>1,300円均一/『冬時間のパリ』半券ご提示で1,100円
※特別興行のため、その他各種割引は適用外/ご提示のチケットは半券・特別鑑賞券・QRチケットも可

<トークイベント>
1/5(日) 『8月の終わり、9月の初め』16:30の回上映終了後

※トークイベントは終了いたしました。

ゲスト:小柳帝さん(ライター・編集者)
真舘晴子さん(The Wisely Brothers)
※対象回は予告編5分
※対象回のお座席指定券をご購入の方のみ、ご参加いただけます。

<プロフィール>
小柳帝 Mikado Koyanagi
ライター・編集者。映画・音楽・アート・デザインなどの分野を中心に、さまざまな媒体で執筆活動を行ってきた。主要な編・著書に『ROVAのフレンチカルチャー A to Z』『小柳帝のバビロンノート映画についての覚書1・2』、また、翻訳書に『ぼくの伯父さんの休暇』『サヴィニャック ポスター A-Z』などがある。その他、CDやDVDの解説、映画パンフレットの執筆等多数。『冬時間のパリ』のパンフレットにも寄稿している。また、自身が主宰するフランス語教室ROVAは、今年で20周年を迎えた。

真舘晴子 Haruko Madachi
3ピースバンドThe Wisely Brothersのヴォーカル&ギター。2019年7月に2ndフルアルバム「Captain Sad」をリリース。映画館でのスタッフ経験があり、Webでの連載を持ったりと映画にまつわることが好き。一番好きな映画は「女は女である」。憧れの人はジャック・タチ。
http://wiselybrothers.com

主催:Bunkamura / 協力:アンスティチュ・フランセ日本
素材提供:エルメスジャポン株式会社、MK2、オレンジ・スチュディオ、パテ・ディストリビューション、ピラミッド・インターナショナル

 

冷たい水
1/4(土)16:30、7(火)16:30、12(日)14:45
1994年/92分/カラー/35ミリ
出演:ヴィルジニー・ルドワイヤン、シプリアン・フーケ、ラズロ・サボ

 

1972年の冬のある日。日常のすべてに鬱屈を抱える少女が同級生の少年を連れ、森の奥へ逃げ出す。ジャニス、CCR、アリス・クーパーなど、当時のアメリカン・ロックの響きが少年・少女たちの躍動や焦燥感と分かちがたく結びついている希有な映画。「それまで使ったことがない16ミリの超軽量キャメラを使用し、低予算、短期間で、まるでアンダーグランド映画を撮っているようで、70年代の雰囲気が自ずと甦ってきた。脚本は書いたものの、目の前に見えるもの、場所、シチュエーションに導かれて撮影した。それ以降の僕の映画作りの『自由』の鍵となるものを本作で見出した。」
楽曲使用料の問題で未公開だったアメリカでは、2018年にソフト化され「青春映画の傑作」と高評価を受ける。アサイヤスの敬愛するギー・ドゥボールが自作に引用した「われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを(邦題訳)」のラテン語回文を体現する様なパーティーシーンは圧巻。

 

イルマ・ヴェップ
1/3(金)16:30、8(水)16:30、13(月)14:45
1996年/98分/カラー/デジタルリマスター版
出演:マギー・チャン、ジャン=ピエール・レオー、ナタリー・リシャール

現実とファンタジー、変遷する都市、映画の歴史……。引き裂かれ、揺れ動き、混沌とした場所を一人ボンテージに身を包んで徘徊するマギー・チャン。魔法のようなドキュメンタリーであり、血が滴り落ちるフィクションでもあるアサイヤスの代表作。“イルマ・ヴェップ(Irma Vep)”とは、ルイ・フイヤード監督の連続活劇「吸血ギャング団」(1912)で活躍する女盗賊の名前(同作の原題“Les vampires”の綴り変え)で、オリジナルでは伝説的な女優ミュジドラが演じた。「マギーは、物語の中のマギーと自分を重ねあわせたいと望み、自分自身をこの映画の中のシチュエーションに置き、本能的にその状況に応じることを望んだ。自分の役が作り上げられていくにしたがって、自分自身に驚くこと、驚かされることを受け入れていった。」
SONIC YOUTH、アリ・ファルカ・トゥーレらの名曲と共に、静かに熱を帯びる夜のパリを映し出す。トリュフォー『アメリカの夜』の変奏とも言える名作。

 

8月の終わり、9月の初め
1/5(日)16:30、9(木)16:30、11(土)14:45
1998年/112分/カラー/デジタルリマスター版
出演:フランソワ・クルーゼ、マチュー・アマルリック、ヴィルジニー・ルドワイヤン、ジャンヌ・バリバール

編集者のガブリエルは、長年付き合ったジェニーと別れ、アンヌと付き合い始める。そんな時、敬愛している友人の小説家が病で倒れる……。親しい者の死を前に、生き残った者たちは、それぞれどのようにその死を受け止め、新たな人生を生きていくか模索する。「現在において、絵画における印象派のような映画への道、方法を探していた。日常生活とアートの実践が同じひとつのものであり、互いが淀みなく流れ、循環し合っているような道を。そしてマチュー・アマルリックやジャンヌ・バリバールという、かつての偉大なヌーヴェルヴァーグの俳優たちが持っていた現代性、知性、自然さを兼ね備えた存在と出会い、映画が始動し始めた。」
作家や編集者などのモチーフ、人生がいく層にも折り重なるという点でも『冬時間のパリ』と対になる作品。のちに監督となるミア・ハンセン=ラヴが眩い輝きを見せるラストシーンは、アサイヤスの真骨頂とも言うべき素晴らしさ。

 

夏時間の庭
1/6(月)16 :30、10(金)14:45、14(火)14:45、15(水)14:45、16(木)14:45
2008年/102分/カラー/35ミリ/PG12
出演:ジュリエット・ビノシュ、 シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ、エディット・スコブ

パリ郊外。母エレーヌの誕生日を祝うため、画家である大叔父ポールのアトリエだった家に帰って来た3人の子供たち。陽光溢れる夏の庭での食事。楽しい時間にも関わらず、母はしきりに美術品の行く末を気にかけていた。それから1年後、エレーヌは静かにこの世を去る。3人の子供達には広大な家と庭、そして貴重な美術品が遺される。相続処理を進める中で3人が向き合うのは、思い出に彩られた家への愛着と現実とのジレンマ。そして母の想いだった…。フランスのオルセー美術館の設立20周年を記念して作られた三世代に渡る家族の物語に、ジュリエット・ビノシュ、エディット・スコブ、ジェレミー・レニエらフランスを代表する名優が集結。登場する美術品のほとんどが、美術館や個人の所蔵から貸し出された本物であり、それらを観ているだけでも楽しい作品。陽光が降り注ぐ中、観る者の予想をいい意味で裏切るみずみずしいラストシーンは、アサイヤス自身の時間へのまなざしが多分に感じられる。

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『冬時間のパリ』
2018年/フランス/107分/原題:DOUBLES VIES
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ジュリエット・ビノシュ、ギョーム・カネ、ヴァンサン・マケーニュ
配給:トランスフォーマー

冬のパリ。縺れて、こんがらがった二組の夫婦の愛の行方は──
時の流れとともに、変わりゆくもの、変わらないもの──それは何?

敏腕編集者のアランは電子書籍ブームが押し寄せる中、なんとか時代に順応しようと努力していた。そんな中、作家で友人のレオナールから、不倫をテーマにした新作の相談を受ける。内心、彼の作風を古臭いと感じているアランだが、女優の妻・セレナの意見は正反対だった。そもそも最近、二人の仲は上手くいっていない。アランは年下のアシスタントと不倫中で、セレナの方もレオナールと秘密の関係を結んでいるのだった…。

「互いの関係に新たな意義を見出し、受け入れ合う夫婦を語りたいと思った」──オリヴィエ・アサイヤス(監督)

『夏時間の庭』『アクトレス 女たちの舞台』などで知られるフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤスの最新作は、エリック・ロメールの『木と市長と文化会館/または七つの偶然』に着想を得た彼の新境地ともいえる作品。是枝裕和監督の『真実』も話題のジュリエット・ビノシュ、ギョーム・カネ、ヴァンサン・マケーニュなどフランスを代表するスターがタッグを組み、迷える男女の愛の行方とパリの出版業界を共鳴させつつ、洗練された会話とユーモアで活写していく。魅力的な冬のパリを背景に、食べて、飲んで、愛して、会話する。ウディ・アレン作品を思わせるような、〈フランス的、人生の愉しみ方〉がたっぷりと詰まった小粋で洒脱な大人のラブストーリー。

冷たい水 ©DR イルマ・ヴェップ ©DR 8月の終わり、9月の初め ©Pathé Films
夏時間の庭 ©2008 MK2 SA-France 3 Cinéma
冬時間のパリ ©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIME

主催
Bunkamura
協力
アンスティチュ・フランセ日本
素材提供
エルメスジャポン株式会社、MK2、オレンジ・スチュディオ、パテ・ディストリビューション、ピラミッド・インターナショナル

上映スケジュール

冷たい水
1/4(土)16:30、7(火)16:30、12(日)14:45

イルマ・ヴェップ
1/3(金)16:30、8(水)16:30、13(月)14:45

8月の終わり、9月の初め
1/5(日)16:30、9(木)16:30、11(土)14:45

夏時間の庭
1/6(月)16 :30、10(金)14:45、14(火)14:45、15(水)14:45、16(木)14:45

概要

料金

1,300円均一/『冬時間のパリ』半券ご提示で1,100円
※特別興行のため、その他各種割引は適用外/ご提示のチケットは半券・特別鑑賞券・QRチケットも可

チケットガイド

会場

Bunkamuraル・シネマ

東京都渋谷区道玄坂2-24-1

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