ルイ・ガレルは、トリュフォーへのオマージュを捧げるがごとく、正統派ヌーヴェル・ヴァーグを思わせる恋の物語を美しいパリの街並みと共に撮りあげた。──THE HOLLYOOD REPORTER
ジャーナリストの青年アベルは、3年間同棲したマリアンヌから妊娠を告げられ喜ぶが、それもつかの間、父親は友人のポールであることから別れを切り出される。数年後、ポールの葬儀でアベルはマリアンヌと再会。同時にポールの妹エヴからも思いを告白される。ふたりの女性と、さらにマリアンヌの美しい息子にも翻弄され…
監督を務めたのは、フランスの名匠フィリップ・ガレルの息子で、俳優としても高い評価を得ているルイ・ガレル(『グッバイ・ゴダール!』)。恋人のマリアンヌ役は、実生活でもルイのパートナーでもあるレティシア・カスタ(『ゲンスブールと女たち』)。そしてアベルに恋い焦がれるエヴ役にはリリー=ローズ・デップ(『プラネタリウム』)。若い女性の初恋のときめきを小悪魔のように演じている。
普段着のパリを舞台に、本当の気持ちを素直に表せない、不器用な男と女の揺れる関係を短編小説のように描いた、この冬一番の大人のラブストーリー。2018年、第31回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」にて上映され(上映時タイトル「ある誠実な男」)、第66回サンセバスチャン国際映画祭ではコンペティション部門で脚本賞を受賞している。