情熱と哀愁の音の魔術師、ピアソラの素顔とは──
タンゴに革命を起こした、20世紀で最高の作曲家の一人
チェリストのヨーヨー・マが、映画監督のウォン・カーウァイが、愛してやまぬピアソラ
没後25周年を記念し、息子が父に捧げる垂涎のドキュメンタリーが誕生した!
タンゴ界に革命を起こし、20世紀で最も偉大な作曲家の一人として知られるアストル・ピアソラ。バンドネオン奏者となった彼は、伝統的なタンゴを活かしながら、ジャズやクラシックなどまったく違うジャンルの音楽をあえて取り入れ、独自の“ヌエヴォ・タンゴ”というスタイルを編み出した。作曲した心揺さぶる哀愁に満ちた楽曲の数々は、ヨーヨー・マやクロノス・クァルテットなどの超一流音楽家によっても演奏され、ウォン・カーウァイ監督は『ブエノスアイレス』にも使用、いまだに世界中でこよなく愛されている。
本作が製作された2017年はピアソラ没後25周年であり、アーティストとして父親として葛藤するアストル・ピアソラの、闘いを挑んだ男の生き様が見えてくる。
ピアソラを育てた街、ブエノスアイレスからニューヨークへ──
名曲「リベルタンゴ」を始め、魅惑的な演奏シーンが存分に堪能できる贅沢な時間を体験
アルゼンチン・タンゴの前衛派として1940年代から活躍し、踊るためのタンゴから聴くためのタンゴに転化させた先駆者ピアソラは、「ロコへのバラード」「リベルタンゴ」などのヒット曲を送り出した。本作では、8mmフィルムで撮影された家族の日常や趣味の鮫釣りの映像を始め、ピアソラの自伝を執筆した娘のディアナが録音した彼へのインタビュー音声など、未公開の素材を選りすぐり、魅惑的な演奏シーンと共に、ピアソラのもうひとつの素顔に迫る。また、同時代を生きたニューヨークを代表する伝説の写真家ソール・ライターの作品が、彼の地で生きた人々の人生を情緒たっぷりに活写する。
監督には、初長編作品がベルリン国際映画祭でルイジ・デ・ラウレンティス賞を受賞した、ドキュメンタリー作家のダニエル・ローゼンフェルド。唯一の肉親である息子のダニエル・ピアソラから依頼を受け、国内外に散らばる膨大なアーカイブ映像と、ピアソラ財団が所有する貴重な資料のリサーチに、4年の歳月を費やした。