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ブルーム・オブ・イエスタディThe Bloom of Yesterday

R15+

9/30(土)よりロードショー
会場:Bunkamuraル・シネマ

©2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH

ナチスの戦犯を祖父に持つ男と、ユダヤ人女性が恋におちたら…

時は、現代。ナチス戦犯を祖父に持ち、家族の罪と向き合うためにホロコーストの研究に人生を捧げる研究者のトト。そして、ナチスの犠牲者となったユダヤ人の祖母を持ち、親族の無念を晴らすために、やはりホロコーストの研究に青春を捧げるインターンのザジ。スタート地点は真逆だが、同じ目標のためにアウシュヴィッツ会議を企画することになった二人。頑固で人付き合いが苦手なトトは、フランスから来た"今どきの若い女性"のザジに激しく反発するが、彼女の型破りな性格にいつの間にか生きる力をもらう。やがて二人は、自分にない何かを求め合うように強く惹かれていく。だが、実は二人の出会いは、偶然ではなかった──。オープニングから畳みかけるようなユーモアと毒舌の連続に、こんなシリアスなテーマで笑っていいのかと不安を覚えた私たちは、"ドイツ、ウィーン、ラトビア"へと過去を追いかける二人の旅に同行しながら気付いていく。すべての人間に、どんな傷でも癒せる、素晴らしい力があることに。困難な日々の中にも必ず美しい花のような瞬間があり、"昨日咲いた花(ブルーム・オブ・イエスタディ)"が、今日、そして明日を輝かせてくれる。破天荒な展開のその先に、前を向く勇気をくれる物語が誕生した。

過去を嘆くだけの時代に終止符を打ち、未来を希望と共に生きようとする世代のために──監督自身のルーツから創作した風変わりな愛の物語

監督はスマッシュヒットした『4分間のピアニスト』のクリス・クラウス。主人公と同じように、家族にダークな過去があると知り、大変なショックを受けて、自らホロコーストの調査を重ねた。その際に、加害者と被害者の孫世代が、歴史をジョークにしながら楽しそうに話している姿に触れ、本作のアイデアが浮かんだという。当然ながら、彼らが親族の経歴を忘れたわけでも、そこから受けた心の痛みが消えたわけでもない。それでも、過去に囚われずに、希望と共に未来を生きようとする世代のために、新しいアプローチの映画を作ることを決意した監督。ナチス映画の歴史が変わるに違いない、エポック・メイキングな作品を完成させた。

フランスで最も注目される若手女優とドイツの実力派俳優が共演

トトに扮するのは『アクトレス ~女たちの舞台~』『パーソナル・ショッパー』などオリヴィエ・アサイヤス監督作品で知られるラース・アイディンガー。都会的でスマートな役柄が多かった彼が、人生につまずきっぱなしの人間味に溢れた男を、情感をこめて演じた。ザジに扮するのは、セザール賞に4度ノミネートされ2度の受賞を果たしている、ダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』のアデル・エネル。フレッシュな組み合わせで魅せるヨーロッパの歴史とユーモアがつまった大人の物語。

  • 番組編成担当が語る作品の見どころ

    毎年数多くのナチス映画が公開されるなか、今までにない斬新なアプローチで描かれているのが『ブルーム・オブ・イエスタディ』。これまでは史実に関わった人物がメインとされていましたが、今回は加害者と被害者の末裔たちの姿を通して、戦争の残した罪や負の遺産に向き合うことができる作品です。

    監督の祖父がナチス親衛隊であったこともあり、宿命を感じて撮ったのではないかと思います。やはり世界中を巻き込んだ忘れてはいけない歴史ということで、映画という手段を使って戦争を知らない若い世代も改めて大切なことをに向き合うきっかけになればと・・・。

    とはいえ、この作品はいわゆる“お勉強映画”という枠にとらわれることなく、ラブストーリーやブラックユーモアも交えて描かれているので、ここで笑っていいのか?と戸惑うシーンもありますが、幅広い方々にオススメです。そして、本作に登場するワンちゃんの名前が「ガンジー」というのも見どころのひとつ。何をされても非暴力主義を貫く愛らしい姿もぜひお楽しみください。
  • お客様の声

    歴史と向き合っていて、ユーモアも忘れないところがすばらしい。日本もこういう映画が作れるといい。<男性・50代>

     ・ホロコーストの加害者のマゴという関係性がうまく恋愛ドラマの中に暗喩されていたと思います。過去にとらわれている男と対照的な女という風に、男と女、出自、性、いろいろな点で普遍性があったと思います。ラスト、とぎれたかと思った理解と寛容が未来へつながっていることが暗示されていて後味の良い映画でした。<男性・50代>

     ・近代20世紀初頭 激動の世界の中でおこった2つの大戦、ホロコーストという悲劇を人類が招くまでの道、今なお台頭するナショナルポピュリズムを如何に理解し結び合える世界を作り出せるか。人々に大切なテーマを与えてくれる映画でした。感動しました。始まりのカーラ・ブルーニの音楽に終わりの思いがけない偶然。希望に充ちた作品でした。<女性・50代>

     ・想像もつかないようなストーリー設定に驚くとともに考えさせられた。第2次世界大戦は終わらないし、各々につながっている人生。<50代>

     ・ドイツ映画が好きです。歴史暗部をコメディーでせまる手法がいいと思います。<女性・50代>

     ・どんな悲劇にもユーモア、そこから生まれる縁があるものですね。期待していたものではありませんでしたが、悪いとも思いませんでした。得るものはあったと思います。<女性・40代>

     ・じんわり、あとになって良かったなって思える映画だと思います。派手ではないけれど。アウシュビッツときいて、なかなか見に行くことをためらっていたけれど、歴史の皮肉というか、生きてゆくことって、単純に割り切れるものではないのだと・・・<女性・50代>

監督
クリス・クラウス
キャスト
ラース・アイディンガー、アデル・エネル
作品情報
2016年/ドイツ・オーストリア/126分
受賞
ノミネート
第29回東京国際映画祭 コンペティション部門東京グランプリ&WOWOW賞受賞
配給
キノフィルムズ

公式サイトはこちら

上映スケジュール

<混雑状況の目安>

(2017年11月10日 現在)

平日(毎月1日・毎週火曜は除く)

13:15

15:50

土日祝

13:15

15:50

サービスデー(毎月1日・毎週火曜)

13:15

15:50

落ち着いています

混み合います

大変混み合います

『ブルーム・オブ・イエスタディ』
◆11/10(金)までの上映
[〜11/10(金)]
連日...13:15 / 15:50〜(終)18:10

概要

料金

一般・¥1,800 学生・¥1,500 (平日は学生・¥1,100) シニア・¥1,100 小・中・高校生¥1,000(税込)
【毎月1日、毎週火曜日、及び毎週日曜夜の最終回は¥1,100(税込)均一】

チケットガイド

会場

Bunkamuraル・シネマ

東京都渋谷区道玄坂2-24-1

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