
「ミロス」 6F 油彩
「色を追いかけてきた。」と自身が語るようにひとつの地には留まらず、ヨーロッパ各地やカリブ、中国など様々な土地を巡り、無限の色彩を求めその表現を洗練させる吉岡耕二。彼は大胆なマチエールの中から感じる軽快な色彩で、自身の旅の記憶を記録している。
渡仏当時から54年目を迎える現在まで、飽くなき探究心で色彩感覚を研ぎ澄まし、人々を圧倒する色遣いは“色彩の魔術師”と呼ばれる所以でもある。喧騒と静寂に包まれる都市、眩く光る海と空、彼の色彩は力強く大胆で観る人の想像を膨らませる。具象とも抽象とも取れるその画面は、色がぶつかり合い、コントラストが綻ぶ。
Bunkamura Galleryでは1997年から15回に渡り個展を開催してきた。今回は新たな試みとして小品を中心とした油彩作品を一堂に展開する。小さいキャンバスに凝縮されながらも、思いがけず溢れ出る吉岡耕二の想い、是非この洗練された空間にご期待いただきたい。