昔から変わらぬ技法で銅版画を作り、仕上げに手彩を施すスタイルで人気のグラハム・クラーク。
御年78歳の現在もロンドンの南東部はケント州、ボートモンチェルシーの自宅スタジオで展覧会を開くなど、変わらず精力的な制作発表を続けています。
今回ご紹介する「メイドストーン1890」は作家が居を構えるケント州の州都メイドストーンが舞台の1枚。かつて街の繁栄を築いたメドウェイ川を主役に、この土地に暮らす人々に思いを馳せて描きました。日々の暮らしを慈しむ画家の目には、100年前の愛する地元はこんな風に見えたのでしょう。
美しくユーモア溢れるエッチングの描写と優しい色調の手彩は、見る者の暮らしに春風をもたらしてくれるでしょう。貴重な新作と代表作を多数揃え、皆様のお越しをお待ちしております。