
レイモン・サヴィニャック
「Paris a 2000」 1951 リトグラフ
ポスターにユーモアを加えた革命家、レイモン・サヴィニャック。フランスの国民的イラストレーターでTHE NEW YORKERの表紙を長期にわたり描き続けたジャン=ジャック・サンペ。ベル・エポック黄金期に活躍、現在でも名を残すメゾンやデザイナー達との交流もあり、当時の人々からは彼に自身の姿を描かれる事が名誉とさえ言われた、風刺画家のセム。サヴィニャックへのオマージュ作品が注目されファンを増やす、グラフィックデザイナー、ナデット・タニオゥ。パリの人々に愛される4人の作家による人気企画がBunkamuraドゥ マゴ パリ祭に帰ってきます。
大規模な回顧展が開催され話題のレイモン・サヴィニャックは20世紀の中頃フランスの街角に革命をおこしたポスター作家。彼はパリで生まれ、幼いころより劇場や街頭に貼られたポスターを観ながら陽気に育った生粋のパリジャン。28歳までは独学でデザイン業界を歩み、その後にカッサンドル(イヴ・サンローランのロゴ制作者)の助手となります。彼のもとでポスターを描き続けた後41歳のとき、モンサヴォン社の牛乳石鹸のポスターが大ヒット。彼はそれまでのあたりまえではなく、ポスターにユーモアを加えるという新しい手法で人々に笑顔をもたらしました。明快で、一度見たら忘れられないインパクトを持つポスターの数々は、今もフランスだけでなく世界中で愛されています。
晩年はトゥルーヴィルで過ごし、街のために何点もの作品を残しています。生涯を現役ポスター作家として生きたサヴィニャック。成功するまでに試行錯誤を繰り返し、遅咲きながらも20世紀最大のポスター作家とよばれた革命家の、オリジナルポスターのみならず世界にただひとつの貴重な原画作品はここでしかみることができません。
そんな不動の人気を誇るサヴィニャックはもちろん、サンペやセム、そしてナデット・タニオゥ。パリを愛したアーティストたちの世代を超えた競演をお楽しみください。