
水の下の小石
1993, リトグラフ
930×750 mm
一貫して神秘的かつ耽美的な木彫作品を作る世界的彫刻家、舟越桂(1951-2024)。2024年3月に72歳にして逝去された後も、旭日小綬章が追贈され、また彫刻の森美術館では大型回顧展「舟越桂 森へ行く日」も開催され、その作品世界が改めて注目されています。
舟越は独特な存在感を放つ肖像作品で知られる一方、1987年より取り組んだ版画作品において、エッチング、リトグラフ、木版など幅広い技法を駆使し、人間の内面や距離感を探求し続けました。その喜びや悲しみとも捉えられる、空虚であるかのような眼差しは、記憶の奥深くを覗き込むかのように、そして遠い自分を見つめるかの様に、私たちに語りかけます。
Bunkamura Galleryでは1998年より新作版画展を定期的に開催し、舟越の版画作品の魅力を紹介してきました。そして一周忌にして10回目となる今展では、90年代発表の版画や、晩年に手がけたスフィンクスシリーズなどを中心に、版画作品20余点を一堂に展覧販売。舟越桂が生涯かけて探求してきた人間の秘奥を、是非ご堪能ください。
ギャラリーツアー開催
◆2月22日(土), 2月23日(日・祝), 3月1日(土) 各日15時より 入場無料・入退場自由
舟越桂と共に版画の創作に携わった、版元/プロデューサーである、アンド―ギャラリーの安東孝一氏によるギャラリーツアーを開催いたします。作品を鑑賞しながら舟越桂版画の魅力をお伝えし、皆さまの質問にもお答えします。ぜひご参加ください。