16世紀半ば、大航海時代のポルトガル船の来航によって、世界と日本は大きく近づきます。商人や宣教師により「ジパング」の情報がヨーロッパへ伝わり、精緻な地図が作られます。日本に伝わったキリスト教は、大村純忠らキリシタン大名に保護され全国に広まりました。
しかし、江戸幕府による禁教と海禁政策(鎖国)により、次第に地図に描かれる日本の情報が乏しくなっていきます。宣教師不在の中で孤立した日本のキリシタンは、自分たちだけで信仰を継承することとなり、宣教師がもたらした信仰用具を伝承し、また新たに仏像等に聖人の姿を見立てる等しながら、独特の信仰形態を育みました。
幕末を迎え2世紀ぶりに開国すると、再び世界と日本は出会います。日本のキリシタンは世界に例をみない孤立を経て宣教師と再会し、新たな信仰用具がもたらされました。