ロシア文学の最高峰、文豪トルストイの長編大作「アンナ・カレーニナ」新たな戯曲で現代に華麗に甦る!
「アンナ・カレーニナ」はロシアを代表する文豪であるレフ・トルストイが1800年代後半に書き上げた小説で、これまで世界各国で何度も舞台化・映像化されてきたロシア文学の最高峰の長編大作です。アンナ、ヴロンスキー、カレーニンの三角関係が中心に描かれることが多い作品ですが、この度の上演ではイギリス気鋭の演出家フィリップ・ブリーンが新解釈で戯曲化し演出いたします。
タイトルロールのアンナ・カレーニナを演じるのは、宮沢りえ。社交界の華であったが“初めての恋”に燃え上がり、心揺れ動きながらも破滅の道へと突き進んでいくアンナを生々しく演じます。そして、恋には不器用ながらも真実の愛を手に入れる誠実な男コンスタンチン・リョーヴィンを宮沢氷魚。アンナと道ならぬ恋に堕ちる、若き美青年将校アレクセイ・ヴロンスキーを白洲 迅。リョーヴィンと結ばれるドリーの妹カテリーナ・シチェルバツカヤ(キティ)を川島海荷。オブロンスキーの妻ダリヤ・オブロンスカヤ(ドリー)を大空ゆうひ。アンナの兄ステパン・オブロンスキーを吹越 満。更に、愛に不器用なアンナの夫アレクセイ・カレーニンを段田安則と、若手からベテランまで豪華キャストが結集しました。
フィリップ版「アンナ・カレーニナ」では、多様な「愛」の形が描かれる中で、破滅に向かうアンナとヴロンスキーの「愛」、カレーニンの敬虔な信仰心に寄る「愛」、未来への希望を感じさせるリョーヴィンとキティの「純愛」を対照的に描きます。公開されたビジュアルの、アンナとヴロンスキーとカレーニン、リョーヴィンとキティ、そしてオブロンスキーとドリー、それぞれが見据える先、その瞳には何を映しているのか、それぞれが向かっていく未来とは“破滅”か“希望”か…。真実の愛を追い求め揺れ動く人間たちが奏でる恋愛叙事詩にご注目ください。
ある日、モスクワを訪れたアンナは、若き青年将校ヴロンスキー伯爵と出会う。
一目で惹かれ合う二人。熱烈なヴロンスキーからのアプローチを拒絶し続けるアンナだったが、
自分の心を偽ることができず、ついにヴロンスキーと恋に堕ちる。
カレーニンは妻アンナの気持ちと行動を知りつつ、体面を保つために妻に忠告するにとどめていたが、当然心中穏やかではいられない。そんな夫にアンナは、堂々と「ヴロンスキーを愛している」と告げるのだった。
若くして結婚したアンナにとって、それは“初めての恋”にほかならなかったのだ。
カレーニンとの離婚が成立しないまま、アンナはヴロンスキーとの間に娘をもうけ、一緒に暮らし始める。
だが社交界の掟を破ったアンナに周囲が注ぐ視線は、当然冷たい。
ヴロンスキーとの愛に全てを捧げる覚悟を決めていたアンナだったが、次第に精神的にも追い詰められていく。
一方、アンナの兄オブロンスキーは、自身の浮気が原因で妻ドリーとの夫婦仲が危機に瀕していたが、アンナの取りなしでどうにか事なきを得ていた。
オブロンスキーの若き友人リョーヴィンはドリーの妹キティに一度求婚するも、
ヴロンスキーに夢中だったキティにあえなく振られ、田舎で農地経営に精を出していた。
キティもまたヴロンスキーへの淡い恋心を踏みにじられ、愛を信じられなくなっていたが、
勇気を出したリョーヴィンからの二度目のプロポーズを受け入れる。
リョーヴィンとキティは真実の愛を手に入れ、地に足の着いた暮らしを始めるのだった。
不安定なアンナを支えるヴロンスキーには、母が勧める縁談が持ち上がっていた。
疑心暗鬼にかられたアンナは朦朧と街をさまよい、自ら列車の前に身を投げる──。