
近年は映画監督としても脚光を浴びる演劇界の異才、三浦大輔
シアターコクーンへの初めての書き下ろし作品がいよいよ登場!
衝撃の最新作を見逃すな!
2015年4月にはブラジルの作家ネルソン・ロドリゲスの代表作「禁断の裸体」(出演:内野聖陽、寺島しのぶ他)を演出してシアターコクーンへ初登場をした三浦大輔。近年は映画監督としての活躍も目覚ましいものですが、劇作家としての評価も高い三浦による待望の書き下ろし新作の上演が決定しました。
その鋭い感性とリアルを追求した演出で、現代の若者の生態をあぶり出し、人間の本質を描き、賛否渦巻く衝撃作を立て続けに発表。最近では、映像の世界での注目度が高く、公開映画も続いており、実に2014年以来の書き下ろしの公演になります。シアターコクーンでの演出経験と映画監督としてのキャリアも積み上げた三浦大輔の書き下ろす新作に期待が高まる。
“裏切り”“怠慢”“孤独” すべての『人間関係』を断ち切り
街の片隅で呆然と立ちすくむ、平凡な青年の逃亡記
当たり前だが、人は人とのつながりの中で生きている。家族、友達、恋人、仕事仲間、先輩後輩の上下関係など、人は、他人と何かしらの関係性をもちながら、『自分』という存在を形成している。もしその関係性が壊れるようなことがあっても、またその人間と関わり、踏ん張って修復するか、他の別の人間とまた新たな関係性を生まれさせるか、なんとか、この世界でひとり『孤独』にならないように生きていくものだ…。
それでも、もし、ひとりの人間が、あらゆる他人との関係性を絶ち、それを取り戻す気力もなく、この世界でひとりぼっちになってしまったことを実感したらどうなるのだろうか。そのとき、見える景色は、どのようなものなのだろうか。その『絶望』の果てで、人は何を思い、最終的にどういう行動をとるのだろうか。
これは、刹那的な『恐怖』から逃れるためだけに、あらゆる人間関係を壊したまま、修復も試みず、その結果、街の片隅で呆然と立ちすくむ、一人の平凡な青年のどうしようもない逃亡記です。
三浦大輔
<あらすじ>
菅原裕一(藤ヶ谷太輔)はフリーターで自堕落な生活を送っている。とあるきっかけで、恋人・鈴木里美(前田敦子)、親友・今井伸二(中尾明慶)、バイト先の先輩・田村修(米村亮太朗)、学生時代の後輩(三村和敬)、姉・香(江口のりこ)、更には母・智子(筒井真理子)を芋づる式に裏切り、あらゆる人間関係から逃げ続けることになり、後戻りできなくなる。しかし、最後に偶然にも、家族から逃げていった父・浩二(板尾創路)に出合い、裕一の中の何かが変わる。
特段、裕一が人の道から外れた『悪い人間』というわけではない。何かの歯車が狂い、このような事態に陥るが、誰でも一つ、ボタンを掛け違えたら、彼のようになりえるのではないかと思えるくらい、ただただ、そこら辺にいそうな普通の価値観の人間なのである。裕一はなぜ逃げ続けたのか、最後にどのような決断をするのか…
2010年7月、ドイツ(エッセン)で行なわれたTHEATER DER WELT 2010(世界演劇祭)に招聘され、ポツドール「夢の城」を初の海外公演として実施。以降、KUNSTEN FESTIVAL DESARTS(ブリュッセル)、ウィーン芸術週間、FESTIVAL TRANSAMÉRIQUES(モントリオール)他、計4ヶ国、5公演をおこない、海外でも高い評価を得ている。
ポツドール以外の舞台作品には、PARCOプロデュース「裏切りの街」(作・演出/2010年5月/パルコ劇場)、初の海外戯曲演出作品となるホリプロプロデュース公演「THE SHAPE OF THINGS」(作:ニール・ラビュート/主演:向井理/2011年2月/青山円形劇場)、つかこうへい作「ストリッパー物語」(構成・演出/主演:リリー・フランキー/東京芸術劇場)、2度目となるPARCOプロデュース公演「母に欲す」(作・演出/2014年7 月/パルコ劇場)等。2015年4月、初のBunkamuraシアターコクーン進出となる、シアターコクーン・オンレパートリー2015「禁断の裸体-Toda Nudez Será Castigada-」(作:ネルソン・ロドリゲス、演出:三浦大輔) を上演。最新舞台作品は2016年8月、ホリプロプロデュース「娼年」(原作:石田衣良、脚本・演出:三浦大輔)
映像作品では、溝口真希子と共同監督した自主映画「はつこい」が第25回(2003)PFFぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞を受賞。
DVD「ソウルトレイン」(原作:石原まこちん/2006)の脚本・監督、映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(原作:花沢健吾/主演:峯田和伸[銀杏 BOYZ])の脚本・ 監督をつとめた。
2014年3月、岸田戯曲賞を受賞した同名の舞台を映画化した「愛の渦」公開。
2016年10月、朝井リョウ原作の映画「何者」が全国東宝系にて公開、続く11月にも自身の舞台が原作となる映画 「裏切りの街」が公開。2018年春には映画版「娼年」(脚本・監督/松阪桃李主演)の公開が控えている。