奇跡の舞台が進化し、いよいよ世界へ!
唯一無二の表現者・森山未來のアトムが進化する!!
高い身体能力を持つ女優・土屋太鳳が初舞台!!
柄本明、吉見一豊に加え、大東駿介、吹越満を迎えて
新たな『プルートゥ PLUTO』を創り上げて世界へ
1980年代から現在に至るまで、漫画界の最前線でヒット作を生み出し続け、新作は常に全世界の注目の的となる浦沢直樹とストーリー共同制作者の長崎尚志。熱烈な手塚治虫ファンである両氏が手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」のリメイクを切望し、手塚プロダクションの許諾を得て、手塚眞の監修のもと、新たな命と使命を吹き込まれて誕生したのが漫画『PLUTO』(小学館刊)です。シアターコクーンでは、この世界的な人気漫画を2015年に『プルートゥ PLUTO』として、魅力的なキャラクターと怒涛のストーリー展開を、ダンス、音楽、映像、パペットなど演劇の枠を超え、多彩な表現方法を駆使して世界初の舞台化を実現しました。新しい舞台の形の提示に成功し、高い評価を得た本作。ついに2018年に3年の時を経て、新しいキャストを迎え、構成・演出などを新たに構築し、新たな『プルートゥ PLUTO』を創り上げます。そして、本作の企画段階から抱いていた夢が結実し、ヨーロッパでの海外公演も決定しました。
漫画『PLUTO』は小学館刊『ビッグコミックオリジナル』にて2003年から2009年まで連載。単行本全8巻。第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第41回星雲賞コミック部門受賞。単行本は850万部以上を売上げ、また、20の言語に翻訳され、全世界で愛読者を持つ。
主演は森山未來。2015年度文化交流使として1年間イスラエル・ベルギー・ヨーロッパを拠点に活動し、今では“俳優”“ダンサー”といった垣根を越えた表現者として高い評価を得ている森山が、2015年の公演では“心揺さぶる”と絶賛された「アトム」に再び挑みます。
本作の紅一点となる、不思議な能力を持つ「ウラン」とゲジヒトの妻「ヘレナ」は、本作が初舞台となる土屋太鳳が演じます。映像での活躍はもちろんのこと、幼いころからダンスを習い、大学では舞踏学を専攻し、世界的歌姫シーアのMVにも出演するなど身体能力の高さは立証済み。ラルビ演出・振付のもと、森山・土屋のパフォーマンス競演にも注目が集まります。
更に、物語の謎を追う刑事であり、高性能ロボットでありながら自身のアイデンティティを追い求めるという難役「ゲジヒト」には若手実力派の大東駿介、大きな包容力でアトムとウランを見守り続ける「お茶の水博士」にはベテランの吉見一豊、物語のキーパーソン・天才科学者「アブラ―」を演じるのは孤高の存在感を持つ吹越満、人間の持つ不可解さまで感じさせるその強烈な個性で、アトムの生みの親であり、ロボットに複雑な想いを抱く「天馬博士」には、日本を代表する個性派俳優の柄本明が扮します。
前回公演から3年の時を経て、最強のキャスト・クリエイターが集結し、作品に新たな生命を吹き込みます。更に進化する『プルートゥ PLUTO』にご期待ください。
ロボットと人間の物語ではない… これは、全人類に叩きつけられる【愛】と【憎しみ】の黙示録!!
人間とロボットが共存する時代。世界最強といわれるロボットが次々と破壊される事件が起こる。高性能刑事ロボット、ゲジヒトは犯人の標的が、自身を含めた7体の大量破壊兵器となり得るロボット達だと確信。日本に渡り、限りなく人間に近い存在であるロボット、アトムと共に謎を追うことに。内戦で家族を失った世界最高峰の頭脳を持つ科学者アブラー、人間を殺害した唯一のロボット、ブラウ1589との接触により核心に迫っていく。
ゲジヒトは日々、忌まわしい悪夢に苛まれ、妻ヘレナも彼の不調を感じ不安を隠せない。アトムもまた、お茶の水博士に愛情豊かに育てられながらも、自身の生みの親である天馬博士との複雑な関係がその心に影を落としている。葛藤を抱えながらも事件の解決に向けて尽力するアトムとゲジヒトであった。
時を同じくして、アトムの妹で悲しみを察知する能力を持つウランが廃墟の壁に花畑の絵を描く不思議な男と出会う。そこにアトムが駆け付けると、男に異変が起こり…
演出・振付は、天才振付家 シディ・ラルビ・シェルカウイ
演出・振付は、ローレンス・オリヴィエ賞を2度受賞、2014年には母国ベルギーでその活動が高い評価を得て国王から爵位の名誉称号を授与されるなど現代舞台芸術を牽引する世界的天才振付家、シディ・ラルビ・シェルカウイが2015年の公演に引き続き手掛けます。演劇やコンテンポラリーダンスの公演はもちろんのこと、バレエ、オペラ、歌劇などの演出・振付でも幅広く活躍するなど、新作を発表するごとに常に世界中の注目を集めています。日本文化への造詣も深く、幼少期に手塚治虫作品に出会い多大なる影響を受けていたラルビは、先見の明を持つ天才たちへの敬愛の念を表現すべく、2011年に手塚治虫の思想/生涯をダンスというメディアで展開する『テ ヅカ TeZukA』を創作。2011年ロンドンのサドラーズ・ウェルズで初演、翌12年にBunkamuraオーチャードホールにて日本公演を行い、その後パリ、香港、ローマ、テルアビブ等10ヶ国以上で上演され、手塚作品への深い造詣とビビットな演出・振付が絶賛されました。そして2015年に、浦沢直樹、長崎尚志作品のファンでもあったラルビの長年の夢が叶い、本作の上演が実現したのです。
2012年にシディ・ラルビ・シェルカウイ氏によるダンス作品『TeZu kA』に関わらせていただき、それに続きまたしても自身が敬愛する手塚治虫さんの作品(もちろん浦沢直樹さんの作品でもありますが)で彼と仕事をさせていただけることに縁を感じていました。
ダンス、芝居、映像など様々な要素をラルビの感性によって有機的に絡み合わせ、それを演劇作品として打ち出せたことが新たな視点を生み出すことになったのではないでしょうか。個人的には、文化交流使としてイスラエルに1年間派遣されていた状態から日本に戻ってすぐの公演だったので、日本の商業舞台の構造を改めて客観的に見ることができるタイミングでもありました。一度生まれた作品が一度限りで終わることなく、また関わることができることの喜びを最近は感じるようになりました。できる限り新鮮な気持ちで、ブラッシュアップを重ねて作品がより豊かになるよう精進できればと思っています。
土屋太鳳さんとはいつか関わることができればと思っていたので、一緒に作品作りができるのを今から楽しみにしています。アトムとウランのデュオができたりしたら面白いですよね。
■土屋太鳳
演技に心を奪われてから12年、「舞台」という場所に憧れ続けてきました。役を生きる役者さんがたは、動く太陽のように輝いたり、全てが消えてしまいそうなほど胸に迫ったり…素晴らしい演技をたくさん拝見してきました。だからこそ、舞台という場所を目の前にした今、畏れを強く感じています。この畏れを、表現者の方々や時間との出会いによって作品にふさわしい何かに替え、舞台の上で、ウランとヘレナとして生きたいと思います。
(2015年の作品は)お正月に放送された映像を拝見しました。鳥肌がたち、作品というより預言に近い世界観に驚きましたが、深く膨大なメッセージの中に、人が人に伝えるべき大切なものが含まれる物語だと思いました。森山未來さんは、ドキュメンタリー番組を拝見して以来、素晴らしい表現者として心の中にいつも存在しているかたです。森山さんを中心にキャストの方々が表現する世界は壮絶だけれど美しく温かく…自分が将来もし子どもを育てる立場になったら、一緒に観たい作品だと思いました。
■大東駿介
子供の頃から手塚作品に魅了され続け、その中でも鉄腕アトムは、数々のエンディング含め、大人になった今だからこそ心打たれる僕にとって大切な作品です。『PLUTO』ももちろん読んでいました。地上最大のロボットが浦沢さんの解釈で新しく壮大に、繊細に描かれる世界にワクワクしながらのめり込みました。まさかそれを舞台でやるとは…!と興奮と悔しさ半分で観劇した前回の公演。浦沢さんの『PLUTO』の繊細な心の描写が圧倒的な身体表現で見事に表現されていたのが印象的でした。そんな勝手に思い入れのある作品にまさか参加できるなんて…。とても楽しみです。
■吉見一豊
ダンス観賞好きの私にとって、ダンサーの皆さんと一緒の現場にいられたあの時間は、本当に胸踊るものでした。今回もっともっと彼らのエネルギーと混じり合えるようイメージをもって臨みたいと思います。皆さんよろしくお願いします。
■吹越 満
森山さんとは、予てより、いつかご一緒できたらよいですね、と言い合っておりましたので、今回の参加、大変嬉しく思っています。ラルビさんとのコミュニケーションはやはり日本語ではないでしょう、、。外国語が全くダメな私は、この機会に少しでも英語が身に付いたらいいな、なんて呑気なことを考えつつ、絶対、足を引っ張っちゃいけない!と緊張もしているのです!!!
■柄本 明
ラルビは稽古場で毎日新しい問題をおこす。それをやるためにはどうすればいいのか……。それをみんなで考える。そんな真っ当な稽古場でした。幾何学模様が動くたび世界は変わる。あるいは変わってしまう……ということを通しておそらく観ている人の潜在意識にタッチしていったのだと思います。今度はどんな稽古場になるのか?楽しみであります。