
© 2001 Orion Pictures Distribution Corporation. All Rights Reserved.
ゼロ年代カミング・オブ・エイジの伝説的傑作
国内配給権終了に伴い、最後の劇場上映
第74回 アカデミー賞(2002年)脚色賞 ノミネート
第59回 ゴールデングローブ賞(2002年)最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)最優秀助演男優賞 ノミネート
ソーラ・バーチ(『アメリカン・ビューティー』)×スカーレット・ヨハンソン(『アベンジャーズ』『ロスト・イン・トランスレーション』)主演
2001年、当時は新しい“低体温系”⻘春映画としてヒットを記録した本作は、70年代のカルト・コミック「フリッツ・ザ・キャット」原作者ロバート・クラムを描いた『クラム』(1994)などドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフによる初の⻑編フィクション。原作はアメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として⾼い⼈気を誇ったダニエル・クロウズの同名グラフィック・ノベル。主演は『アメリカン・ビューティー』(1999)での演技が絶賛されたソーラ・バーチと、いまやハリウッドを代表するスター俳優として躍進を遂げたスカーレット・ヨハンソン。そのほか、実⼒派バイプレイヤーのスティーヴ・ブシェミ、2008年に急逝したブラッド・レンフロが参加し、2002年のアカデミー脚⾊賞をはじめとして多くの賞にノミネートされるなど⾼く評価された。オフビートで魅⼒的なキャラクターたち、ヴィンテージの名曲を集めた多彩なサウンドトラックなど、21世紀で最も熱狂的に愛される、今もなお⾊褪せない伝説的傑作の⼀本となっている。
その初公開から22年後̶̶2023年は『ゴーストワールド』が⽇本でふたたび脚光を浴びた1年と⾔えるだろう。⻑らく⼊⼿困難だった原作コミック⽇本版の第4刷が5⽉に発売となり、廃盤となって久しかったDVDと初BDも同年7⽉にリリース。そして、11⽉23⽇(⽊祝)より劇場でのリバイバル公開が始まると、若い客層を中⼼に全国各地で初⽇から満席回が続出。また、翌12⽉に発売となったムック本「POPEYE特別編集 若いうちにいい映画をたくさん観よう。」 (MAGAZINE HOUSEMOOK)の表紙を飾ったことも後押しとなり、メイン館のBunkamura ル・シネマ 渋⾕宮下では動員12,000⼈を超え、同館で2023年の興収No.1作品となった。
以降、2024年も全国でロングラン上映を続けていた本作だが、今回は2025年3⽉末で国内配給権が終了することを受けて、いよいよ最後の劇場上映を迎えることになった。2⽉7⽇(⾦)より始まるBunkamuraル・シネマ 渋⾕宮下では⼭内マリコ、能町みね⼦、志村貴⼦、冬野梅⼦ほか総勢17名の豪華ゲストが参加した劇場パンフレットも⼿にとることができる。是⾮この機会に⼤きなスクリーンで⾒納めてほしい。
【COMMENT】
テリー・ツワイゴフ監督 『クラム』『アートスクール・コンフィデンシャル』
ハリウッドのティーン映画のような、ありがちなシチュエーション・コメディーを作る気もなければ、気取った自己満足的なアート映画も作りたくなかった。
エンターテインメントであると同時に、考えさせられる映画を作りたかったんだ。
【STORY】
高校生活の終わり 大人になることに直面するイーニドとレベッカ
うまく世界に馴染めない 二人の少女の分かれ道
1990年代アメリカ、都市郊外の名もなき町。幼馴染で親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は高校を卒業したものの、進路も決めず、あてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。ある日、二人はモテないレコードマニアの中年男・シーモア(スティーブ・ブシェミ)に出会う。ダサくても独自の世界を持つシーモアに興味を持ったイーニドは、アウトサイダーとして生きる彼の”理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカ。同居生活を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ……