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第74回 アカデミー賞(2002年)脚色賞 ノミネート
第59回 ゴールデングローブ賞(2002年)最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)最優秀助演男優賞 ノミネート
ソーラ・バーチ(『アメリカン・ビューティー』)×スカーレット・ヨハンソン(『アベンジャーズ』『ロスト・イン・トランスレーション』)主演
あの二人が帰ってきた!
カミング・オブ・エイジの伝説的傑作、22年ぶりの全国ロードショー
2001年、「ダメに生きる」というキャッチコピーが反響を呼び、当時は新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した『ゴーストワールド』は、70年代のカルト・コミック「フリッツ・ザ・キャット」原作者ロバート・クラムを描いた『クラム』(1994)などドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフによる初の長編フィクション。原作は、アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズの同名グラフィック・ノベルだ。
ロサンゼルス郊外で撮影された本作は、どこまでも続くショッピングモールやファーストフード・チェーンの進出によって、次第に個性を失いつつある1990年代のアメリカの名もなき町が舞台。世界に馴染めず、いつも周囲をばかにして過ごしているシニカルな2人のティーンエイジャーが大人になることに直面し、自分の居場所を見つけようとする倦怠感に満ちた数ヶ月を描く。
主演は『アメリカン・ビューティー』(1999)での演技が絶賛されたソーラ・バーチと、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)で脚光を浴び、近年は『アベンジャーズ』シリーズにも出演するなど、いまやハリウッドを代表するスター俳優として躍進を遂げたスカーレット・ヨハンソン。撮影当時、バーチは17歳、ヨハンソンは15歳、すぐに意気投合したという二人の等身大の瑞々しい演技をおさめた貴重なフィルムでもある。そのほか、一目見たら忘れられないクセのあるルックスで多くのファンを持つ実力派バイプレイヤーのスティーヴ・ブシェミ、『ゴールデンボーイ』(1998)や『BULLY ブリー』(2001)などの作品で知られ、2008年に急逝したブラッド・レンフロが参加している。また、原作者であるダニエル・クロウズはツワイゴフ監督と共同で脚本を執筆、2002年のアカデミー脚色賞をはじめとして多くの賞にノミネートされるなど高く評価された。近年では「ユーフォリア/EUPHORIA」(2019〜/ドラマシリーズ)などの作品にも影響を与え、「時代を先取りしていた(Los Angeles Magazine)」などさらなる再評価が進み、若い世代にも愛される作品となった。
また、『ゴーストワールド』は、2023年には長らく入手困難だった原作コミック日本版の第4刷が5月に発売、廃盤となって久しかったDVDと初BDも7月28日(金)より発売となった。オフビートで魅力的なキャラクターたち、名言の多い脚本、ヴィンテージの名曲を集めた多彩なサウンドトラックなど、今もなお色褪せない21世紀で最も熱狂的に愛される伝説的傑作の一本だ。
【COMMENT】
テリー・ツワイゴフ監督 『クラム』『アートスクール・コンフィデンシャル』
ハリウッドのティーン映画のような、ありがちなシチュエーション・コメディーを作る気もなければ、気取った自己満足的なアート映画も作りたくなかった。
エンターテインメントであると同時に、考えさせられる映画を作りたかったんだ。
【STORY】
高校生活の終わり 大人になることに直面するイーニドとレベッカ
うまく世界に馴染めない 二人の少女の分かれ道
1990年代アメリカ、都市郊外の名もなき町。幼馴染で親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は高校を卒業したものの、進路も決めず、あてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。ある日、二人はモテないレコードマニアの中年男・シーモア(スティーブ・ブシェミ)に出会う。ダサくても独自の世界を持つシーモアに興味を持ったイーニドは、アウトサイダーとして生きる彼の”理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカ。同居生活を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ……