ファッション業界に圧倒的な影響力を持つ、アフリカ系アメリカ人初のVOGUEクリエイティブ・ディレクター《アンドレ・レオン・タリー》 昨年1月に他界した彼の生涯を描くドキュメンタリー
昨年1月18日に73歳で他界した、ファッション界の巨匠と呼ばれたアンドレ・レオン・タリー。『プラダを着た悪魔』でスタンリー・トゥッチ演じるナイジェルのモデルとされ、白人の占める割合の多いファッション業界において、黒人モデルや非白人デザイナーたちの進出に積極的に貢献した。人種差別が色濃く残る時代のアメリカ南部で幼少期を過ごしたアフリカ系アメリカ人の彼が、如何に最も影響力のあるファッション・キュレーターにまでのし上がったのか。彼の人生と彼が残した数々の功績をマーク・ジェイコブス、アナ・ウィンター、トム・フォードなどファッション界を代表する人物たちのインタビューと共に振り返る——。彼の死に際してはミシェル・オバマをはじめ、ビヨンセ、ゼンデイヤ、マライア・キャリーなど各界の著名人が弔意を表した。
〈格好良い〉とは。スタイルと美学の定義を構築したファッション界の巨人。
1948年に生まれたアンドレ・レオン・タリーは《ジム・クロウ法(1876年~1964年に存在した人種差別的内容を含むアメリカ合衆国南部諸州の州法)》の影響下にある時代にアメリカ南部で幼少期を過ごした。1983年より[VOGUE]のニュースディレクターを担当、1988年にはアフリカ系アメリカ人として初めてクリエイティブ・ディレクターに昇格した。2013年にエディター・アット・ラージに就任し、アナ・ウィンターの右腕として活躍。〈格好良い〉とは何か、独自の美学を極めていく。また、名物エディターとしてだけでなく、自伝の出版やセレブのスタイリスト、映画出演など、その活躍は多岐にわたる。昨年2022年1月18日、逝去。享年73歳。本作は本人のインタビューのほか、アナ・ウィンター、トム・フォード、マーク・ジェイコブス、イヴ・サンローラン、カール・ラガーフェルド、ノーマ・カマリ、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ、ウーピー・ゴールドバーグ、イザベラ・ロッセリーニ、ウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)ほかファッション業界のみならず多数の豪華な関係者が出演。