
©2018 Xstream Pictures (Beijing) - MK Productions - ARTE France Cinéma
「傑作! ロマンチックな悲劇。」──Le Figaro
総移動距離7,700km! 現代中国を背景に描き出す、17年に及ぶ愛の物語
山西省の都市・大同。チャオはヤクザ者の恋人ビンと共に、彼女らなりの幸せを夢見ていた。ある日、ビンは路上でチンピラに襲われるが、、チャオが発砲し一命をとりとめる。5年後、出所したチャオは長江のほとりの古都・奉節へビンを訪ねるが、彼にはすでに新たな恋人がいた。チャオは世界で最も内地にある大都市・ウルムチを目指す。そして2017年がやってくる──。
北京五輪開催が決定し、中国がにわかに活気づいた2001年、三峡ダム完成間近の2006年、そして現在。北京五輪、WTO加盟、四川大地震、冬季北京五輪の決定……21世紀中国の歴史とともに、総移動距離7,700kmに及ぶチャオとビンの旅路が描かれる。
カンヌ国際映画祭コンペティション部門5作品出品の快挙!
ジャ・ジャンクー監督の人生を映し出した集大成
31歳の若さで初めてカンヌのコンペ部門に出品された『青の稲妻』(02)。ヴェネチアで金獅子賞(グランプリ)に輝いた『長江哀歌』(06)。ターニングポイントとなった2作を踏襲しつつ進化させた『帰れない二人』は、ジャ・ジャンクー監督の5作品目となるカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作。「皮肉と華麗さを兼ね備えたロマンチックなフィルム・ノワール。ジャ・ジャンクーは中国の偉大な映画作家だ」とテレラマ誌は本作を絶賛、ル・モンド紙、ポジティフ誌が最高点をつけた。「私の人生を使って、歴史的にも激動の変化を経験した現代中国を舞台にラブストーリーを描きたいと思った」と語る監督の想いが世界に届いたのだ。
中国映画界を代表する女優チャオ・タオとベルリン銀熊賞受賞リャオ・ファンが演じる、すれ違う愛
主人公チャオを演じるのは、ジャ・ジャンクー監督作品のミューズ、チャオ・タオ。中国大陸を横断する17年に及ぶ心の変遷を丁寧に紡ぐ。もうひとりの主人公ビンには、『薄氷の殺人』(14)でベルリン国際映画祭銀熊賞を中国人俳優で初めて受賞したリャオ・ファン。ビンの"男の強さと弱さ"を繊細に体現した。また、中国を代表する監督たちが俳優として物語の脇を固めるのも一興だ。本作には時代を映し出す数々の音楽が流れる。「Y.M.C.A.」「CHA CHA CHA」やサリー・イップ……聴覚でも映画を記憶し、忘れられぬ一作となる。