
「ジョン・シルバー 新宿恋しや夜鳴篇」
デザイン:横尾忠則
1964年の東京オリンピックは成功裏に閉会したものの、その反動により経済は停滞と不況に陥りました。人々が現代社会に疑問符を抱え、何かを探し求めて町中を彷徨い、平和や理想を追い求めた時代。特に若者は激しく渇望し、変革を求め学生運動に身を投じました。
昭和の時代の人々はそんな混沌とした現状の中からサブカルチャーを確立します。爆発した熱いエネルギーがそこにありました。「演劇で世の中を変えたい」「デザインで世の中を変えたい」。若きデザイナーたちや演劇人たちは、時代や発想の最先端をいく表現を武器に世間に理想への戦いを挑みます。それはとても実験的で目新しく、衝撃的で世間に疾風を轟かせたのでした。美術、映画、演劇、漫画、音楽、ファッション、デザインが理想を代弁し、それが今なお私たちに影響を与え続けています。
本展では日本を代表するイラストレーターたちのポスターや原画作品、古書、グッズを展示・販売いたします。当時出版された品々が敷き詰められた会場は激動の時代を生きた熱きエネルギーであふれています。
今まで信じていた平和な世界が揺らぐような心苦しいニュースが日々流れてくる昨今。戸惑う令和時代の私たちは昭和の時代によく似てはいないでしょうか。
昭和が訴え続けるメッセージを受けて、私たちは今、何を感じるでしょう?
【出品予定作家】
赤瀬川原平 秋山祐徳太子、粟津潔、宇野亞喜良、金子國義、合田佐和子
花輪和一、土方巽、横尾忠則 その他