
寺山修司
“「詩」もことばだと思ってはいるが、やっぱりことばではないのではないか、と思うことがある。
詩はことばに毒されてはいるけれども、素朴に言えば、イマジネーションの世界なのである。”
ー寺山修司「話しことばの思想」より
昨年の秋冬に寺山修司記念館にて好評を博した特別展示が、さらにグレードアップした内容となり今秋Bunkamura Box Galleryにて開催いたします。
戯曲、演出、詩、映画など多岐にわたるメディアにおいて才能を発揮し、「言葉の錬金術師」という異名をもつ寺山修司。その幅広い芸術活動すべてにおいて、力強く美しい言葉を武器に、想像を体現してみせた稀代の表現者です。
俳句・短歌から詩、シナリオと表現世界を広げていった寺山は、早い段階から、言葉を視覚化することに強い関心を持っていました。少年期には、主宰する文芸誌の表紙を寺山自身が描いていたこともあります。自著の装幀や挿絵、文章のレイアウトに至るまでこだわり抜き、当時の新進気鋭のイラストレーターやデザイナー等と共作しました。さらに、イラストレーションから影響を受け、自身の作中に取り入れることもあった寺山にとって、彼らは切磋琢磨するライバルであり、伴走者でした。
今回の展示では、世代も作風もまったく異なる作家17名が一堂に介します。寺山の盟友として怒涛の時代を駆け抜けた宇野亞喜良や及川正通をはじめ、彼が亡くなった後に生まれた次世代の作家も参加。彼自身や作品との繋がりの有無にかかわらず、それぞれがテーマとなる言葉を選び、独自の解釈で作品を描きました。新たな息吹を吹き込まれた寺山の言葉が、いま、一層の輝きを放ちます。
背反する個と個が出逢い、ぶつかり合いながら交わり、新たな表現が生まれる瞬間のきらめき。あなたはその目撃者となることでしょう。
【出展予定作家】(五十音順)
宇野亞喜良、及川正通、岡田成生、北林小波、北見隆、木原未沙紀、齋藤さち子、さちこ、櫻井結祈子、七戸優、須川まきこ、宗誠二郎、寺門孝之、野村直子、深津真也、村上仁美、吉岡里奈
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