
全ての生物はどれをとっても単体で生き抜く事はできず、直接的・間接的に何かしらの関わりを保ちながら、共存しています。その繋がりは途切れる事なく続き、やがて豊かな森を育みます。自己と他者を見つめ、時にあらがい、内包されたイメージを放出する表現者たちもまた、あらゆる事象と個性を連鎖し多様化させ、作品という生き物を創り出しています。
昨今、社会情勢、メディア、思想、コミュニケーションまで、あらゆる分野で多様性が叫ばれ、様々なライフスタイルが生まれています。私たちは、自分の手のひらの中でそれらを発信する事も受け取る事も容易になりました。アートにおいてもまた、表現者と鑑賞者の双方が多様化し、その手段も価値観も固定概念の枠から飛び出しつつあります。本展では、用いる素材も表現方法もそしてキャリアも様々な5名のアーティストを通して、多様性がつなぐ日本の現代アートの未来を考えます。
人口知能や3Dプリンターなど、科学の進歩を間のあたりにしながらも、人の手によって生み出される無数の表現のかたち。それらを途絶えさせる事なく繋げていく事で、ひとつの夜明けを迎え、私たちはまた新しいアートの可能性に出会う事ができるのです。この機会に是非、次世代を担うアーティストたちの創造の森をご覧ください。
【出展アーティスト】
石田 菜々子 (ガラス) 岩間 弘 (彫刻) 岡部 稔 (写真) 長野 順子 (銅版画) 山口 牧子 (絵画)