「少女」という普遍的観念は、どこからやってきたのでしょう。もう子供ではなく、けれど大人にはなり切れない、相容れない存在。一時のモラトリアムの中で危ういバランスを保っている脆く儚いその存在に、触れてはならない禁断のシンボルというイメージが定着したのは、まだそれほど昔のことではありません。
これまで、文学や芸術表現におけるカタチなき神聖の象徴として、様々な社会的要素によって作り上げられたアイコンとしての「少女」。その「少女」と括られた存在が持つ要素と作家たちのイメージが絡み合い、今日の表現の中で少女性は大きな位置を占めています。しかし少女像は、同じ枠の中に居ながらも、まるで個人差を反映するかのように作家ごとにその姿を変えて現れます。
作家それぞれの持つ「少女」というイメージが立ち現れるとき、その曖昧さの中に見えてくるであろう共通性を改めて再認識するための場とする本展。時代や社会の変容の中で少女はどう「少女」であり続けるのか。30余名の作家たちの平面・立体による表現を通してご覧ください。
<参加予定作家>
【平面】味戸ケイコ、東逸子、イヂチアキコ、今井キラ、金子國義、北見隆、黒木こずゑ、桑原聖美、澁谷瑠璃、新宅和音、壺也、トレヴァー・ブラウン、中村キク、成田朱希、西塚em、丹羽起史、長谷川友美、深瀬優子、町野好昭、松浦シオリ、松島智里、丸尾末広、三谷拓也、山城えりか、山本タカト
【立体】愛実、奥田拓郎、菊池ともゆき、高齊りゅう、櫻井紅子、桜文鳥、清水真理、土井典、衣、日隈愛香、ホシノリコ、森馨