一、茂山逸平 監修
『柿山伏』(かきやまぶし)
二、ご挨拶
三、藤間勘十郎 振付 中村京蔵 構成
『女夫蝶花臺』(つがいのちょうはなのしまだい)三場
「蝶の道行」 竹本連中
「石 橋」 長唄囃子連中
~あらすじ~
『柿山伏』
山伏が柿を盗み食うところに、柿畑の持ち主がやってきます。木の陰に身を潜める山伏。主はそれに気付いたうえで「鳥がいる」「猿がいる」とからかうのですが・・・。山伏が鳥や猿の鳴き真似をして罪を隠そうとする愚かさや、居直る図々しさが笑いを誘います。誇張された仕草が狂言の特徴の一つで、本作では山伏が柿を頬張る様子などがユーモラスに表現されます。
『女夫蝶花臺』
家同士の確執により、現世で添い遂げられなかった男女をテーマにした舞踊です。前半では、二人の魂が夫婦の蝶となり冥土への旅をする様が、夢幻の美しさの中に描かれます。後半では、蝶が飛び交う中、雌雄の獅子が長い毛を勇壮に振ります。九團次、廣松が、若い男女・蝶・獅子を演じて踊り分ける、見応えのある作品です。