
©Families Seyrig and Roussopoulos Archive / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir
『去年マリエンバードで』『ジャンヌ・ディエルマン』の伝説的女優デルフィーヌ・セリッグ、唯一の長編監督作
制作50年を記念して日本劇場公開!
近年、主演した『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975年/シャンタル・アケルマン監督)が世界的に大ヒットし、若い映画ファンにも注目されているデルフィーヌ・セリッグ。アラン・レネ、フランソワ・トリュフォー、ルイス・ブニュエル、マルグリット・デュラス、ウルリケ・オッティンガーらの監督作でも知られる伝説的女優が、監督として残した唯一の長編作品である、ドキュメンタリー映画『美しく、黙りなさい』(1976)。撮影対象は、ハリウッドとパリで活躍する23人の女優たち。デルフィーヌは、女優たちに2つの質問を用意。女優たちがその質問に答え、脱線し、繰り返す。率直に親密に、時にユーモラスに語る姿をとらえる。

1975/76年。ハリウッド、パリ
ジェーン・フォンダ、シャーリー・マクレーン、ジュリエット・ベルト、アンヌ・ヴィアゼムスキー、マリア・シュナイダーら様々な女優たちがリスクを超えて出演
『ジュリア』(1977)のジェーン・フォンダ、『アパートの鍵貸します』(1960)のシャーリー・マクレーンといった当時でも大物女優だった2人を含め、『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974)のジュリエット・ベルトや、ゴダール『中国女』(1967)のアンヌ・ヴィアゼムスキー、さらに『カッコーの巣の上で』(1975)のルイーズ・フレッチャー、『血塗られた墓標』(1960)のバーバラ・スティール、ラスト・タンゴ・イン・パリ』(1972)でスター女優になった若きマリア・シュナイダーら有名な映画女優からテレビドラマの女優、まだ無名の女優など、様々な女優たち。撮影は、1975年と1976年。当時、女優たちがジェンダーについて答えることは、男性中心の映画業界でブラックリストに載りかねないことでもあり、簡単なことではなかった。

ジェンダー差別を象徴する決まり文句をタイトルに
原題は「Sois belle et tais-toi !」、英語題は「Be Pretty and Shut Up!」。「美しくありなさい、そして黙っていなさい」という意味のこの言葉は、元々はフランスの映画・演劇業界などで女性に対して使われていた表現と言われており、今では英語圏でもジェンダー差別を象徴する言葉として使われる決まり文句。デルフィーヌは社会の性差別に声をあげ、女性の権利を映像で伝えようと活動した人でもあった。

<制作50年記念>先達の努力で「50年で変わったこと」/「50年たっても変わらないこと」
今回、制作から50年を記念して日本で劇場公開される本作。上映素材は、セリッグも創設者の1人で、女性の歴史についての映像を保全し普及することを目的にしたボーヴォワール視聴覚センターとフランス国立図書館が主導して、2022年に修復したもの。翌年2月にフランスで再公開されると、「#MeTooのはるか前に、これほど重要なドキュメンタリーがあったとは!」と大きな話題となった。「50年で変わった」と感じるのは、これまで女性の権利のために重ねられた努力がもたらした改善。「50年たっても変わらない」と感じるのは、変化を遮っている古いシステムがまだある証拠に他ならない。















