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『青いパパイヤの香り』(93)、『シクロ』(95)の名匠トラン・アン・ユン監督が描く、愛と人生を味わう感動の物語 極上の料理をつくってきた二人が挑む<究極のポトフ>とは?
<食>を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理人ウージェニー。二人が⽣み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。<食>の真髄を示すべく、最もシンプルな料理「ポトフ」で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが……。
トラン・アン・ユン監督が描く職業と芸術
スクリーンを埋め尽くす極上メニューの料理監修は三つ星シェフのピエール・ガニェール
100年前のフランス“ベル・エポック時代”では新たな文化が繁栄し、“美食”もまた芸術のひとつとして追求された。美食家と料理人という“職”に目をつけた監督は<食>という芸術を追求するため、調理過程を1台のカメラで撮影。劇伴を使うことなく、魚や肉を焼いたり煮たりする美味なる音を音響効果とし、自然光をメインの照明とするなど、ひとつひとつの素材が“究極のひと皿”へと進化を遂げる様子をスクリーンに描き出した。さらにスクリーンを埋め尽くす料理の数々はミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修。その前衛的かつ独創性と芸術性に満ちた料理から「厨房のピカソ」と称えられる。映像になった時の見栄えを確認するため撮影前に登場するすべての料理を試作した。さらにピエール本人が劇中にシェフ役として登場している。<食>の深さと楽しさを存分に堪能させてくれる、<新たなるグルメ映画の傑作>が誕生した!
『青いパパイヤの香り』(93)でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール、『シクロ』(95)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、繊細な映像美で高く評価されてきたトラン・アン・ユン監督の最新作。前作から7年ぶりとなる本作では料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を味わう感動の物語を描く。新たなるグルメ映画の金字塔として、カンヌ国際映画祭〈最優秀監督賞〉を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表に選出された。プロとして矜持を持って生きる天才料理人・ウージェニーに扮するのは『イングリッシュ・ペイシェント』(96)でアカデミー賞®助演女優賞を受賞し、『ショコラ』(00)で同賞主演女優賞にノミネートされたフランスの名優ジュリエット・ビノシュ。世界3大映画祭の賞をすべて獲得し、近年は是枝裕和監督の『真実』(19)にも出演した。ウージェニーへの切なく揺れる想いを抱える美食家ドダンには『ピアニスト』(01)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したブノワ・マジメル。ふたりは実に20年ぶりの共演となった。