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Bunkamuraドゥマゴ文学賞 パリのドゥマゴ賞 Le Prix des Deux Magots Paris

Le Prix des Deux Magots 2021

【受賞者】

Emmanuel Ruben(エマニュエル・ルーベン)

【受賞作品】

『Sabre(サーベル)』

【出版社】

Stock

昔むかしあるところに…。物語は、私たち誰もの幼少期に影響を及ぼした名作のように始まる。「昔、祖父母の家のダイニングルームには謎のサーベルがあった。私はそれを振り回したことも、まじまじと見たことも、触れたことさえなかった」。語り手のサミュエル・ヴィドゥーブルは、存在するのかどうかもわからない深夜列車の路線の最果て、「ヨーロッパとフランスの袋小路」にある、「由緒も特色もなく、栄誉など授かったことのない」カルヴァン派の田舎ものの親族の亡霊が出没する埃まみれの家に引きこもっている。しらけた歴史教授で地図愛好家のヴィドゥーブルは、幼少期のこの記憶を、かつて書店を営み、引退生活を送る叔母エステールに導かれながら探ることにする。「あのサーベルは今どこに?そしてもし僕があれを手にしていたとすれば?」

Emmanuel Ruben

1980年生まれ。地理学教員資格を持つ。『La Ligne des glaces(氷のライン)』(2014年ゴンクール賞候補)、『Sur la route du Danube(ドナウの道で)』(2019年ニコラ・ブーヴィエ賞、アメリゴ・ヴェスプッチ賞、スポール・エ・リテラチュール大賞)をはじめ、これまでに小説、エッセーなど、数十冊の著作がある。メゾン・ジュリアン・グラックを運営しロワール川沿いに暮らしている。

パリで行われた授賞式レポートはこちら
https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/topics/4429.html

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