静寂が聞こえるほど深い真夜中の刻。時計の秒針音が身体の芯に響くほど大きく聞こえる。夢うつつの意識は現実から離脱し、非現実と溶け合い始める。暗がりを煌々と照らす電光に集まる虫たちの生命力は妙に生々しく、植物たちは昼間とは全く別の表情で佇んでいる。今展では、そんな「夜ノ隙間」にのみ垣間見えるものや、その掴みどころのない空間を、3名の作家がそれぞれの方法で表現いたします。
陶を素材とした彫刻像で異形のものたちをつくる櫻井結祈子。動植物や未知の存在への憧れや畏怖、生物の美しさや残酷さ、そして自身の変身願望をその作品に刻み込みます。
日常と非日常の狭間を描く佐藤文音のリトグラフは、身近なモチーフの意識と無意識が混成された物語の断片に見入ると同時、黒い色面に飲み込まれるような感覚を覚えるでしょう。
「充実した孤独感」をテーマに制作を続ける畠中彩の版画作品では、無意識の中で見るかつての記憶が映画のワンシーンのように切り取られ、郷愁の中に愛しさが交わったかのような、静かで優しい時間が流れています。
3者3様の「夜ノ隙間」。現実の延長なのか、もう夢の中なのか。どちらとも区別が付かなくなるような感覚をお楽しみください。
【出展作家】櫻井結祈子、佐藤文音、畠中彩
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夜ノ隙間夢と現実が交錯するうたかたの夜長
会場:Box Gallery
作品紹介/スライドショー
概要
開催期間
2021/10/1(金)~10/11(月)
開館時間
10:00~19:00
会場
主催
Bunkamura Gallery
お問合せ
Bunkamura Gallery 03-3477-9174