
たびびと
群青の夜空を背負い佇む建物。光を求めているかの様な鳥や登場人物たち。深く広がるそのキャンバスの画面からは、空想から紡がれた旅人たちの物語が次々に現れます。マットな色彩が特徴の水性アルキド樹脂絵具で描かれるオーガフミヒロの作品は、観る者の想像の扉を開き、心の奥底にある忘れかけていた記憶のかけらに輝きを与えます。
全国各地での個展開催や、詩画集の出版などさらなる活躍をみせ、その独特の世界観で人々を魅了するオーガ。Bunkamuraにて3年振り2度目となる本個展では、最新作品を一堂に集め展覧販売致します。物憂げな色彩の中でもやわらかな月の光を纏う旅人たちの夜想曲をお楽しみ下さい。
★オーガフミヒロによる詩の朗読会 開催決定★
心地よいギターの伴奏とともに、今展のために書きおろした詩を作家自身が朗読いたします。
2019年6月1日(土)17:30~ <予約不要>
森の子守唄
夕暮れの光を頼りに
森の小道をゆく旅人
やがて陽は落ち
夜のベールが旅人を包む
月は雲に隠れ
指の先まで闇の中
はじめての森
眠れそうにない
ザザザ、ザザザと鳴る葉々や
ポトリ、ポトリと夜露の落ちる音
ホウホウ、ホウホウ森の賢者の指揮のもと
リリリ、リリリと虫の声
やがて旅人は深い眠りに落ちた
雲は流れ月の光が森を静かに照らしはじめる
旅人の明日の道をも
オーガフミヒロ