
木壁画「猫3匹」
額サイズH54×W34cm
38年前に、山好きな私はただそれだけで信州へと引っ越しました。
商業デザインの仕事をしながら好きな山の絵を描き点数も増えた時、知り合いから「どんな絵も周囲の光を反射するし、ガラスが汚れて手入れが大変」と言われ、そこで考えたのが「反射をしない、手入れがラク、太陽の光にも劣化しない絵具」この条件を満たしたのがタイルにシルクスクリーンをするという作品「タイルアート」です。
最初は小さな作品から始め、現在はサイズの大きな作品も手がけています。大きい作品はタイルですと重量が増すという悩みがあり、最近はタイルに変わる素材、建築用のボードを発見!こちらも退色しない、ガラス不要、手入れがラクという素材です。
信州の山岳風景、その山肌、岩、尾根……その迫力を表現したい、そして爽やかな風を作品の中に吹かせたい、そんな気持ちを込めて描いています。
そして商業デザインの仕事の中で、切絵で描いた北アルプスの山々を「木」で表現できないか、という依頼から生まれたのが「木壁画」です。
木の知識は何も無いところからのスタートでしたが、知れば知るほど「木」という素材の面白さ、あたたかさに引かれ、依頼28年、木の色と木目だけで描く作品を制作し続けています。
タイルアートと木壁画、表現する方法はまったく異なりますが、それぞれに特徴のある作品です。会場でぜひご覧ください。
<あさのたかを>
1948年群馬県桐生市生まれ。
長野県松本市でデザイン事務所を開設、イラストレーターとして活動。1990年に木という素材に出会い、以後木の色や木目だけで描く「木壁画」を制作し続ける。
現在までに病院や学校、幼稚園、公共施設や福祉施設などの玄関やロビーに多数の「木壁画」を設置する。2005年より絵を入れた家具、扉に絵を組み込んだ仏壇など、新たな世界に挑戦、展開している。誰にも教わらない、全て独学……これをポリシーに、現在も個展を中心に活動している。