
「ガーディアンズ 飛天 , Apsaras in flight 南25号」
エポキシ樹脂・レジンキャスト・樹脂石膏・金属・頭骨
2017年 29×18×18cm
あるものは座禅を組み、あるものは楽器を奏で、あるものは弓を射る。ヘルメットのようにまるい頭部からは動物を象った骨が覗き、腰にまとった布は風になびいてはためいています。はたしてSFの世界に住まう生き物なのか?それとも古代の神々の化身なのか?過去と未来、時空も空間も凌駕し君臨する生物。近未来的な宇宙人のようであり、日本の遥か昔に奉られた神具のようでもあるそれらは「Gardien(ガーディアン)」と名付けられ、現代日本アート界に颯爽とあらわれました。
2017年アートフェア東京で個展ブースが注目を浴び、美術雑誌でも取り上げられるなど、近年目覚ましい活躍をしている新進気鋭のアーティスト、上根拓馬。仏像の宗教観に新たな視点を吹き込んだフィギュアの制作や、それらを基盤とするインスタレーションを行っています。幼いころに仏像に出会った際、内部から漏れ出る濃密な気配に畏怖の念を抱いたという上根は、同時期に見たSF映画の宇宙服や日本のロボットに対しても、同様の感情を抱いたと言います。やがて畏怖の念は憧れに代わり、長い時間をかけてその精神性を制作に落とし込んできました。
Bunkamura Galleryでは初となる本個展では、大好評のGardienシリーズ旧作に加え、上根のアーティストとしての進化のみられる最新作がご覧いただけます。この夏日本現代アート界のニューウェーブ、上根拓馬の世界を、是非ご体感下さい。