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『パピチャ 未来へのランウェイ』
私たちの命は、私たちのために輝く。
1990年代、アルジェリア。ファッションデザインに夢中な大学生のネジュマはナイトクラブで自作のドレスを友人たちに販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。だがイスラム原理主義の台頭によりテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブの着用を強制するポスターがいたるところに貼られるように。従うことを拒むネジュマはある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、命がけでファッションショーを行うことを決意する──。
"この映画が、女性たちの心の扉を開き声を上げるきっかけになることを願ってやまない"──ムニア・メドゥール監督
カンヌ国際映画祭で上映されるや、その迸るエネルギーで世界を圧倒した本作は、新鋭監督ムニア・メドゥール自身の経験から生まれた。アルジェリア"暗黒の10年"を舞台に、イスラム原理主義による女性弾圧の真実を、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点で瑞々しく描ききった。媚びず、流されず、自らのために立ち向かう力強さは観客に勇気を与え、抑圧に対する解放の賛辞だとして話題を呼んだ。
本国当局により上映中止の問題作
ところが、大統領選を控えていた本国では、当局によって説明なしに上映が中止され物議を醸す事態に。エントリー要件を満たさないとしてアカデミー賞国際長編映画賞への代表選出が危ぶまれたが、制作陣が政府からの圧力があったと訴え、最終的に特例措置で代表として認められた。その後、セザール賞で新人監督賞、主演のリナ・クードリもその魂の演技で有望若手女優賞を受賞し2冠を果たすも、未だに本国での公開には至っていない。真の自由を求め、「自分らしく」を掴み取るため立ち向かう少女たちの闘いは、いま、この瞬間もまだ続いている。
「PAPICHA」とは…アルジェリアのスラング。「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」という意味を持つ。