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Bunkamura30周年記念あなたはまだ帰ってこないMemoir of Pain

2/22(金)よりロードショー
◆4/4(木)までの上映
会場:Bunkamuraル・シネマ

©2017 LES FILMS DU POISSON – CINEFRANCE – FRANCE 3 CINEMA – VERSUS PRODUCTION – NEED PRODUCTIONS

 愛とは歓びなのか、苦しみなのか、あるいは待つことなのか?すべての女性に突き付けられる、愛の葛藤──

 第二次世界大戦時のナチス占領下のパリ。1944年、マルグリット・デュラス30歳。夫のロベールは地下でレジスタンス活動をしていたため、ゲシュタポに突然連れ去られる。それが、彼の帰りを祈り、彷徨い、苦悩する、彼女にとっての愛のための人生の始まりだった・・・。夫を待ち続ける不安の日々、現れるヴィシー政権の手先の男の誘惑、そして彼女を支える愛人──。戦時下、誰もが、戦場に赴いた人、捕らえられた人を待ち続け、愛しつづけることの痛みと不安と闘っていた。愛とは、苦しみなのか、歓びなのか、あるいは待つことなのか?すべての女性に贈られる、愛とは何かを突き付ける、フランスが世界に誇る小説家マルグリット・デュラスの自伝的原作『苦悩』を見事映画化。映像化不可能と言われた本作をベースに、デュラス自身の愛と、その苦しみが、戦争の記憶とともに語られる、激動の愛のドラマが誕生した。

20世紀最大の女流作家、マルグリット・デュラス自伝的原作の映画化!ナチス占領下のパリで、女たちはそれでも愛する人の帰りを待つ──

20世紀フランス文学を代表する女流作家であるマルグリット・デュラス(1914年-1996年)の原作『苦悩』を映画化した『あなたはまだ帰ってこない』がいよいよ公開される。1984年に発表されたデュラスの前作『愛人/ラマン』は、ゴンクール賞を受賞し世界的なベストセラーとなり、ジャン=ジャック・アノー監督によって映画化され、空前のデュラス・ブームが巻き起こった。その翌年、1985年に刊行された『苦悩』は、デュラス自身が「私の生涯でもっとも重要なものの一つである」と語っているほど、作者自身が深い愛情を抱いていた作品である。特にデュラス自身が1940年代半ばに書いた日記や手記をそのまま、ほぼ削除せずに載せていたことも大きなスキャンダルとなり、話題となった。マルグリット・デュラスは、これまでにも『ユダヤ人の家』などの作品においてユダヤ人の悲劇的状況を繰り返し描いてきた。そして、彼女の赤裸々な自伝ともいうべき原作をベースにした『あなたはまだ帰ってこない』でも、占領下のナチズムの暴虐ぶりを浮き彫りにすると同時に、極限状況において、<愛>という感情がいかにうつろいやすく、瞬く間に終焉してしまうのか、しかし、そこにあった<愛>もまた、真実であるのだという愛の痛みをリアルに突きつけてくるのである。監督はゴダールやキェシロフスキの助監督などを務め、その才能に高い評価があるエマニュエル・フィンケル。主演はマルグリット・デュラス役に『海の上のピアニスト』『ザ・ダンサー』などのメラニー・ティエリー、そしてゲシュタポの手先となり、彼女を誘惑する謎めいた男ラビエを『ピアニスト』のブノワ・マジメルが演じ、愛に苦悩する姿を見事見せつけている。

  • ル・シネマコラム

     

    最後の恋人ヤン・アンドレアと共に。たくさんのペンが供えらた墓石。

     本作を観た後に脳裏をよぎったのは映画「かくも長き不在」でした。マルグリット・デュラスとジェラール・ジャルロの脚本・台詞、アンリ・コルピ監督の名作で1961年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞しています。30年以上も前にTVで観たので記憶は不確かですが、カフェを営む主人公が終戦後も戻らない夫を待ち続け、ある日出会った夫とそっくりの浮浪者と静かにダンスを踊る…本人なのか、他人なのか? わからないままに16年間の長すぎる不在を埋めようとする忘れられないシーンでした。

     「あなたはまだ帰ってこない」も戦争下という過酷な時間の中で、命を削りながら“生きること”“書くこと”“待つこと”を続けたマルグリットの日々をひしひしと感じました。

     そして、その後も生涯を通して書き続けた彼女のパリのアパルトマンに、先月のベルリン映画祭の帰りに立ち寄ってきました。サン=ジェルマン・デ・プレ界隈のサン=ブノワ街。アパルトマンの向かいにはデュラスが“食堂”として通っていたビストロ、ル・プチ・サン・ブノワも。タイムスリップしたような庶民派ビストロで店の壁にはデュラスやバーキン&ゲンスブールといったご常連の写真も。

     3月3日(1996年没)が命日のデュラスが眠るモンパルナス墓地には、サルトルやボーヴォワールといった著名人も多く埋葬されています。墓地というより広々とした“公園”という気持ちのいい場所なのでぜひ散策にどうぞ! (番組編成担当)

監督
エマニュエル・フィンケル
原作
マルグリット・デュラス(『苦悩』)
キャスト
メラニー・ティエリー、ブノワ・マジメル
作品情報
2017年/フランス・ベルギー・スイス/126分
受賞
ノミネート
第91回アカデミー賞外国語映画賞フランス代表
配給
ハーク

公式サイトはこちら

上映スケジュール

<混雑状況の目安>

(2019年4月4日 現在)

平日(毎月1日・毎週火曜は除く)

10:20

土日祝

10:20

サービスデー(毎月1日・毎週火曜)

10:20

落ち着いています

混み合います

大変混み合います

『あなたはまだ帰ってこない』
◆4/4(木)までの上映
[3/29(金)~4/4(木)]
連日... 10:20~(終)12:40

概要

料金

一般・¥1,800 学生・¥1,500 (平日は学生・¥1,100) シニア・¥1,100 小・中・高校生¥1,000(税込)
【毎月1日、毎週火曜日、及び毎週日曜夜の最終回は¥1,100(税込)均一】

チケットガイド

会場

Bunkamuraル・シネマ

東京都渋谷区道玄坂2-24-1

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