ザ・ミュージアムにて7/16(土)~9/4(日)に開催する『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』にあわせて、Bunkamuraドゥマゴ文学賞では、書店員さんが選ぶ、“かこさとし作品”のおすすめの一冊をご紹介します。本を選んでいただくのは、WEB連載「私のBunkamuraドゥマゴ文学賞」参加書店から、絵本のプロである絵本専門店や絵本担当者のみなさんです。
子どもの頃に読んだ絵本や、発見が詰まった科学絵本の数々。
かこさとしは、そのたくさんの絵本を通して未来に残し、伝えたかった想いがありました。
この夏は、大人をも夢中にさせるかこさとしの絵本の世界をじっくり楽しんでみませんか?
<No.1>
『だるまちゃんとてんぐちゃん』作・絵/加古里子 福音館書店
ブックショップ ナディッフモダン 飯塚 芽
かこさとしさんの絵本の中で、私が選ばせていただいた大好きなお話は『だるまちゃんとてんぐちゃん』です。
かこさんがこの物語を通して伝えてくれている“見立て”のメッセージは、今現在も私の中に生きていて、想像力を持つことの楽しさを知るきっかけになりました。
お父さんが出してくれる、だるまちゃんが欲しがるものと同じようなものをページいっぱいに並べられる愛情たっぷりのシーンは、かけがえのない自分の両親のことをいつも思い出させてくれました。
てんぐちゃんの持っているものをただ与えるのではなく、だるまちゃんに身近なものから見立てることの面白さや気づきを与えてくれていたのです。
私にとってずっとバイブルのような本です。
<推薦いただいた書店>
絵画、彫刻、映画、写真だけでなく、音楽や建築など視覚芸術にとどまらない20世紀の芸術を幹とし、人・時代・場所を支点として好奇心の枝葉が広がっていくように、文学やライフスタイル系の書籍、絵本やデザイン雑貨なども集めた樹木のような書店。
https://www.bunkamura.co.jp/bookshop/